トップ > 東京都知的財産総合センター > 弁理士選定のポイント(参考)

弁理士マッチング

弁理士選定のポイント

1 弁理士の専門性をよく調べる

弁理士には、電気、機械、化学など得意とする分野がそれぞれありますので、依頼する案件にあった弁理士の選定が必要です。選定の際には、弁理士の書いた特許公報などを読んでみましょう。

2 利害関係に注意する

ライバル企業の代理をしていないかを調べてから依頼してください。弁理士の守秘義務などは法律によって定められていますが、もしものトラブルを回避する上で注意が必要です。

3 費用が適切かどうかを確認する

現在、弁理士の報酬は自由化され、出願する権利内容によっても左右されますが、常識的な範囲を超えていないかどうか確認しましょう。弁理士の報酬については、日本弁理士会のホームページで弁理士に対して行ったアンケート結果別タブで開くを見ることができます。また、弁理士の所属する事務所のホームページを見て料金を確認するのもよいでしょう。

4 こまめに情報提供をしてくれるかを確認する

国や東京都が行う中小企業を対象とした支援策等についての情報を提供してくれるような弁理士を探しましょう(特許庁の減免制度や早期審査制度等、東京都の外国特許出願助成事業、外国侵害調査費用助成事業等)。

5 地理的に近いか、連絡手段は十分かを確認する

弁理士とは何度も面談での打ち合わせが必要ですし、その他に連絡することが多くあります。なるべく近くて連絡のつきやすい弁理士を探すよう心がけてください。

6 外国の事情に精通しているかを確認する

国内と外国の出願を別々の弁理士に依頼すると費用がかさむだけでなく、非効率になります。自社の取得したい権利が外国をも視野に入れるなら、外国の事情に精通している弁理士を選ぶ必要があります。

7 弁理士とのコミュニケーションを十分に取りましょう

いくら得意とする技術分野が合致していても、弁理士が全ての技術を理解しているわけではありません。発明の内容をきちんと伝えないと良い権利になりません。そのため、弁理士とは、綿密な打ち合わせが必要になってきます。十分なコミュニケーションを取ってくれる弁理士を探しましょう。また、中小企業の側も弁理士任せにしないで、発明の内容を理解してもらえるよう努力しましょう。

コラム:ある弁理士の声 ~中小企業が特許出願を弁理士に依頼する際の問題点~

先生に任せておけば、それでいい。これが一番困ります。次に困るのが、たとえば、機械の発明について、複数の図面間に不一致があることです。以下、上記2点について、具体的に述べます。
先生と呼んでいただけるのはとても嬉しいことなのですが、弁理士はスーパーマンではありません。発明は、これまでに世の中にない技術(新規性のある発明)であるからこそ特許されるわけです。世の中に未だ送り出されていない技術の隅から隅までを弁理士が知っているわけではありません。発明者である依頼者以上の知識を弁理士が持っているはずがない、と考えてください。したがって、その発明を、しっかりと説明してもらう必要があるのですが、これがなかなかうまくいきません。弁理士の理解力不足は棚において申し上げますが、説明が不十分な場合が非常に多い。弁理士なんだから、先生。あとはよろしく頼む。これでは、特許庁審査官を説得することのできる明細書を書くことができません。ぜひ、この点についてご理解ください。弁理士に任せたままでは、よい特許は取れません。
図面の不一致について。発明は新規性や進歩性があれば、自動的に特許されるというものでもありません。実施可能性も特許要件の一つです。これは、出願発明(具体的には請求項に記載された発明)を実施(再現)することができるレベルで発明の詳細な説明や図面が作成されていなければならない、という要件です。発明の詳細な説明が舌足らずであったり不正確であったりすると、特許を取れないし、仮に取れたとしても無効とされる恐れがあります。図面相互間で不一致がある場合も同じです。なんとなく分かるように書けばよいのではなく、正確に分かるように書かなければなりません。時間がないから、面倒くさいから、弁理士に任せておけばいい、という態度はぜひとも謹んでください。
大事なことは、依頼者である中小企業と弁理士との間のコミュニケーションの密度を濃くする、ということです。多少は余計の時間が必要かもしれませんが、コミュニケーションの密度は、特許の強さに比例するのだ、と肝に銘じてください。

東京都知的財産総合センター

東京都台東区台東1-3-5 反町商事ビル1F
電話:03-3832-3656
E-mail:chizai【AT】tokyo-kosha.or.jp
※迷惑メール対策のため、「@」を【AT】としています。