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海外知財ワンポイントレッスン

韓国知的財産権侵害事件への対応 トップページへ

2015年4月22日 掲載

韓国知的財産権侵害事件への対応(11)
日本中小企業に対する提案

1.事前対策

 何年か前韓国のある外食企業が味噌カツで有名な日本の‘YABATON’ブランドを無断で使用して‘YABATON’トンカツ店を運営したことが大きな問題となったことがある。商標問題はうまく解決したが、‘YABATON’というブランドを日本で長年使用してきたにもかかわらず、韓国では商標登録することも考えなかった点は、日本の中小企業の知的財産権に対する意識がどれほど未熟なものかを示している。
 知的財産権侵害件数は減ってはいるが、模倣品が出回る速度は非常に早くなっている。日本における商標出願から2、3ヶ月も経たないうちに、同じ商標が韓国特許庁に出願されることは驚くにあたらない。また、超高速インターネット網の普及で、オンライン上での知的財産権紛争も急激に増加している。このような状況では常に一足早い対応を考えなくては、いつでもどこでも自身の知的財産権が無断で侵害されえることをはっきりと認識しなければならない。
 侵害事件に対応する最もよい事前対策は、韓国に該当権利を登録しておくことである。侵害事件を解決するために所要される法律的費用に比べれば、出願費用ははるかに少額だ。商標権等を確保すれば、侵害事件が起きたとしても警告状のみでも効果的に対応することができる。直接韓国で事業を行う考えがなくても、日本ブランドに関心をもつ韓国企業とライセンス契約を締結することで、営業利益をあげることもできる。従って、事前に韓国に商標等を登録しておくことは、費用的にも最も効果的な侵害予防対策であるといえる。

2.事後対策

 侵害事件が発生した場合、積極的にその解決の取り組み、再び同じことがくりかえされることのないようにしなければならない。そのためには、優れた代理人を探す必要がある。特に、知的財産権侵害に戦略的に対応するためには、知財権侵害に十分な経験のある弁理士及び弁護士と相談することが非常に重要である。一旦、相談が始まれば侵害事件を多角的に分析し、費用対効果で最も最適な効果を出すことができる戦略を立てなければならない。

資料協力 リ・インターナショナル特許法律事務所

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