人材育成計画作成支援事業 支援事例(1)〜三木工業株式会社〜
「職場の良好な上下関係づくり」を推進する
三木工業株式会社は、保育園や幼稚園の園児用の机、イスをメインに三輪車やワゴン、ベビーベットなど教育分野で利用する用品・什器・備品などの企画・開発と製造・販売を行い活躍している企業です。教育現場のニーズを確実にとらえ永い経験とノウハウを十分にいかし、21世紀をになう子供達のため安全で夢のある楽しい製品作りを目指しています。
組織の上下関係は今までと同じでいいのか
青柳社長
同社は、昭和25年創業で現青柳社長の父が溶接工場として立ち上げ、自転車のハンドル、オートバイのフレームなどを製造していました。その後、時代の流れとともに製品は家庭の食堂用テーブル、イスから学校用の用品・什器等へと幅を広げてきました。
青柳社長は「ここまで来られたのは、時代の流れをしっかりと捉え、それに対応してきたこと、長年の経験とノウハウの蓄積が大きい。そして何より長年にわたり頑張ってくれた社員の存在が一番大きかった。」と振り返ります。その口調は穏やかで終始笑顔が絶えません。このような社長のもと、職場は明るく和やかな雰囲気であろうと想像できます。しかし、青柳社長は、その職場の人間関係に少し懸念を持っていました。「職場の上下関係」です。「昔のように部下に教えたり叱ったりしにくくなりましたね。」としみじみ話します。上司の熱心さが部下には強い叱責に感じられたり、時にはパワハラを受けていると捉えることもあるようです。上司、部下どちらが悪いということではなく、上下関係も時代とともに変わることが必要で、とにかく社員全員が気持ち良く働ける職場をつくりたいというのが青柳社長の願いです。
何がパワハラなのか全社員が共通認識を持つ
研修会の様子
青柳社長の懸念を払しょくするため、「職場の良好な上下関係づくり」について支援することになり、1.パワーハラスメント防止対策と2.部下の指導育成手法の研修会を計画しました。
1.パワーハラスメント防止対策では3つの施策を実施しました。一点目は「パワハラ研修」です。管理者向けはもちろんのこと、一般社員に対しても実施しました。被害者になるだろう一般社員に、なぜ実施したかというと、パワハラとはどういう発言や行為が該当するのか全社員に共通認識を持ってもらいたかったからです。叱責などすべてがパワハラになるわけではありません。二点目はパワハラ相談担当者の選任、三点目はパワハラ行為者の懲罰規定の策定を行いました。
部下の「ほめ方」「叱り方」もスキルが必要
全社員にパワハラ研修を受けてもらった後は管理者向けに2.部下の指導育成法の研修を2回実施しました。受講した11人ほどの管理者は各々仕事上のキャリアとスキルを持っていますが部下のマネジメントとなると特別に勉強したわけではないので心許ないところがあります。それを研修で習得していただきました。ベースにはマグレガ―のいう「Y理論」の「人間は条件さえ整えれば生来働くことが好きだ」を共通認識として、具体的に部下の「ほめ方」「叱り方」のスキル、エゴグラムでの自己分析・他者分析で部下との人間関係を良好にする等を実践的に学習してもらいました。
上記1.2.を実施した結果、職場内で次のような変化が起こりました。
- パワハラ云々という声が聞かれなくなった。
- 部下の呼び方がやさしくなった。
- 頭ごなしに叱りつけることが少なくなった。
今回の取り組みにより、気持ちよく働ける職場環境づくりに向けた「良好な上下関係づくり」への一歩踏み出すことができました。 (人材ナビゲータ 青木勝一)
連絡先
三木工業株式会社
代表者:青柳 勝目男氏
所在地:東京都足立区足立3-7-18
TEL:03-3889-1611(代) / FAX:03-3849-5062
URL:http://www.miki-kk.com/top.html
従業員数:39名
□ 問い合わせ先 □
企業人材支援課 人材支援係
TEL:03-3251-7904 / FAX:03-3251-7909
E-mail:sangyo-jinzai@tokyo-kosha.or.jp