人材育成計画作成支援事業　支援事例（3）〜三信計測工業株式会社〜

社員教育の“PDCA”で人間力をさらに高める

　三信計測工業株式会社は、送電線工事業界の中で鉄塔建設や送電線敷設のための調査測量を主業務とする、業界屈指の企業。社員数30名と小規模ながら、電力供給の一翼を担う“縁の下の力持ち”的な存在です。技術系企業であるにもかかわらず、人間力の向上のために公社の「人材育成計画作成支援事業」や「オーダーメード研修事業」を活用し、熱心に社員教育を行っています。

社会インフラの構築に欠かせない技術会社の人間力教育

　同社は創業38年を迎える、架空送電線の調査、測量、設計などを行う測量会社である。3％の経済成長があれば今でも電力不足が起こるといわれるが、昨今の経済情勢下では電力余り状態も起こっている。その為廃業する同業者もいる中にあって同社は人間力教育に力を入れ、将来に向けた世代交代への地盤固めに取り組んでいる。狭い業界ゆえ、ミスは即信用力低下を招き顧客離れにつながる。そこで同社は平成22年度の経営目標の一つに「顧客クレーム0達成」を掲げた。今までも いち早く“ISO9001：2000”を取得、日々品質管理や安全管理に努力し、10件以上の感謝状や表彰状を受けるなど顧客の信用を得てきた同社。あらためて社是に「進化」を取り入れ、明確に企業方針・目標を示すことで社内ベクトルを一つにしている。
　技術力では他社に引けを取らない自信をもつ同社だが、技術教育だけで社員への教育が満たされているとは考えなかった。そこで新たな教育体系の構築のため、公社の「人材育成計画作成支援」事業を活用し、新たな教育体系の構築に取り組み始めた。

社内教育でもPDCAを回し、研修を継続

　平成21年5月から6月にかけて、公社の人材ナビゲータによる経営者や従業員へのインタビューを実施、人材育成に関する改善点を洗い出し、教育体系の再構築と研修カリキュラムの作成をした。その結果、ヒューマン系スキルの向上にむけた社員教育から始めることになった。それを受けて公社の「オーダーメード研修」で、6月に「ビジネスマナー実践研修」1回と、8月から1月にかけて「管理者研修」全6回を実施した。
　あらためてビジネスマナーを見直し、管理者研修では自分自身を再認識するところから問題解決まで、管理者としての基本的なヒューマンスキルについて学び直した。初めはなぜいまさら、といった様子だった受講者も、回を重ねるにつれて学習することに対する興味と充実感を感じ始め、最後には、「あっという間の6回だった」、「実務にも応用できる内容」といった充実度の高い研修となった。
　しかし、教育はある程度の年月をかけて継続していかなければ効果はないと認識していた経営者は、すぐさま第2弾の計画に着手。公社、講師と共に第1弾研修の評価・見直しも行なった。平成22年度の「全体研修」ではモチベーションアップを主に、また「管理者研修」では前年の研修の実践編として問題解決に向けたアクションプラン作りを重点的に学ぶ予定だ。まさに“社員教育のPDCA”を実践している。
　全社一丸となっての教育も第2弾となり、さらなる人間力の向上に向けて走り出した同社の人材育成計画は個人の成長とともに、ひいては会社の成長も図られることとなった。今後いかなる事態にも立ち向かえるだけの力を持った社員集団の企業となることが予想される。

連絡先

三信計測工業株式会社
　代表者：大野 信義氏
　所在地：中野区新井2-10-9　窪寺工業ビル2階
　TEL：03-3385-9277　／　FAX：03-3386-9688
　URL：http://www.sanshin-k.co.jp/
　資本金：1,350万円　　従業員数：30名　　創業：昭和47年12月

□　問い合わせ先　□
企業人材支援課
TEL：03-3832-3675　／　FAX：03-3832-3679