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人材育成計画作成支援事業 支援事例(5)〜株式会社三六工芸印刷社〜

若い社員のやる気を引き出す

高品質なカラー印刷サービス 株式会社三六工芸印刷社は、製版技術の革新であるCTP(コンピュータ・トゥ・プレート)にいち早く対応し、高品質なカラー印刷サービスを提供しています。Webサイト構築など電子媒体の制作力も併せ持ち、印刷業態の変化に着実に対応を進めてきました。とくに、有望な社員たちが活力を発揮しやすいような、組織としての環境対応力育成を目指しています。

変化する経営環境を捉える

 数ある業種のうち、印刷業ほどダイナミックな業態変化を求められている業種も少ないだろう。「紙にインクを乗せる」という役割から「紙や電子の媒体に、アナログまたはデジタルの情報を載せる」役割へ、業界自体が変化していっている。
 こうした変化に対応するためには、新しい技術や仕事のスタイルに敏感な社員の育成や、なにより過去にとらわれない発想を組織としてうまく業績につなげていく企業環境が必要だ。同社はその一環として、08年秋に公社の人材育成計画作成支援事業を利用した。

全社の人材のあり方を俯瞰

人材育成体系図 工場には「会社を大きくしたい」と胸を張って答える若手のリーダーがいる。営業には、顧客のニーズに合わせて積極的に対応していこうとするスタッフがいる。この潜在的な組織力を、いかに業績につなげるかが同社の一つの課題であった。
 右の図は、本事業を通じて作られた人材育成体系図で、A3判を縦に2枚つなげた大きな俯瞰図になっている。この図の構造は、以下の通り。

 (1)最上部に、会社全体で追求しようとしている企業や人材のイメージ、および組織風土の様子が表現されている
 (2)縦軸に部門・職種(営業、営業管理、版下作成、工場、管理総務など)、横軸に階層(新入社員、若手、リーダー、管理職、経営幹部)が示されている
 (3)縦横それぞれの該当位置で、どのような能力や人材要件が求められるのかがまとめられている
 (4)その人材像に到達するためには、どのような研修または人事面での政策が必要なのかが、大きな矢印形の枠で示されている

 この俯瞰図を作ることで、組織として見た人材育成の課題が整理される。また個々の従業員から見ると、現在の職種と階層の立場でどんな能力を求められるのかがわかる。そして、将来のキャリアアップにつなげるためにはどんな努力をする必要があるのか、イメージがはっきりしてくる。
 同社の場合に重視されたのは「部門横断的に問題解決ができる組織力」、「個々のスタッフが全社的な視点からプランニングできる能力」、そして「制作・印刷工程全体のラインの改善によって、最終的な品質を保証していくための意識向上」であった。

部門横断的な動きが活発に

斉藤 正康社長 自社の課題が明確になるにつれ、組織力を向上しようとする意識も社内に広まってきているという。
 例えばこれまで、都心にある営業所スタッフと本社工場スタッフが交流する機会は少なかった。しかし新たな部次長会議を開始し、テーマをあまりきっちり決めずに広範囲な意見交換ができる場ができてきた。また、5S改善などを現場中心で話し合う活動も活発化してきた。
 最近は顧客から求められる内容も、組織体制づくりと不可分な高度なレベルの要望があたりまえにでている。例えば個人情報保護や偽造防止などセキュリティ対応が求められれば、顧客から預かった情報を厳密に管理する体制をとる。一人の担当者が対応すれば済む話ではなく、営業から制作現場までが共通した課題となるわけだ。
 「今は、社員に積極的に取り組もうとする意識が強い」と語る斉藤社長。社長はどちらかというと司会役となり、現場から自由な発想が生まれる環境を育もうとしている。

連絡先

人材育成計画の作成支援株式会社三六工芸印刷社
 代表取締役:斉藤 正康氏
 所在地:板橋区蓮沼町34-14
 TEL:03-3969-0361 / FAX:03-3558-0736
 URL:http://www.sanroku.co.jp/
 資本金:7,700万円  従業員数:60名

□ 問い合わせ先 □
企業人材支援課
TEL:03-3832-3675 / FAX:03-3832-3679

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