〔スペシャル対談 -Part2- 〕

IoTへ。一歩進める中小企業の思考法」〜IoT活用に取り組んだ経営者が
 貴社が踏み出す一歩を後押しします〜


●他社とIoTで繋がることによって、どんな価値が生まれるのか


足立氏:アプリケーションによって、いろんなところに繋がってくるので、物を受け取るということと、ネット上の情報との繋ぎ方というのは、いくらでもあると思います。実例ですが、弊社のパスケットは宅配ボックスなので、オートロックが付いているマンションだとオートロックによって各階の家まで荷物が届かないという一番のネックがあります。一方、その問題をクリアしようしている会社があります。マンションの入り口に外付の装置を付けておき住人がスマートホンで自由にそのマンションへの出入りの許可の設定をしておくと、住人が許可した人は、何もせず自動的にスマートホンがマンションの入り口の装置と反応し扉が開くという仕組みがあります。これはカギを造っている会社がそのサービスを提供しています。例えば、弊社のポスケットを注文し、誰かにそのポスケットを届けてほしい時に、オートロックを解くカギの仕組みをポスケットに付けると、オートロックがあるところでも入れてしまう、住人が許可すると、そういう繋ぎ方もできます。オートロックを外すサービスと、物を届けるサービスという全く別のサービスが、ネットに繋がることでワンストップの一つのサービスになるということです。これは、たぶんIoTの機能がないとできないと思われます。

神戸氏:開発していく中で、オートロックの問題や自分が不便に思っていることと、便利化のサービスをしようとしている他社とが、IoTで繋がり連携ができるようになっていく、というのはすごい新しいでことすね。

足立氏:IoTというのは何でもありなので、いろんな所でIoTに関するセミナーやビジネス交流会があると、“お宅何をやっている会社ですか”という話になり、繋がりやすいですね。だから、もしかすると考えていなかったようなサービスや協業みたいな、これと、これを、こう繋げてしまえば、こんなのが出来るのではないか、という話がけっこうあります。そういう人と人とのネットワークというのもIoT業界ならではと思います。

牧野氏:弊社では今ちょうど開発中のECサイトがあります。東京で工場運営をするというのは非常に今、厳しい状況でして、弊社のような会社の工場は音が出るのですが、今までは夜8時くらいまでは音を出しても仕事はできましたが、隣の工場が撤退をしてマンションが建ったことにより、夜5時以降は音を出さないでくださいということが起きてきます。ところが、ちょっと離れるとまだ周りも工業地帯で、夜何時でも機械を動かせますという所があるので、その工場、または会社同士が提携をして空いている時間帯に自社の工場でやっている一部の工程を委託する、という業務ができるようなります。弊社はこのサイトに1年半ほど時間をかけていて、もう間もなく開設します。東京の企業は老舗で歴史のある会社が多く、様々なお客様を持っています。そういう会社の工場同士を繋げると、地方にある中小企業で一万坪もあるような工場の弊社のライバルに近づくチャンスになります。東京の工場同士、会社同士が繋ることにより、国内や世界でも対抗してやっていくことができるようになるのではないかと、そういう夢を見て会社同士を繋げる仕組み創りをしているところです。

神戸氏:お二人のお話を聴いていて、他社と他社が繋がるということは、もっと大きなものに繋がっていくことを想像することができました。

●最終的なゴールや目標について



足立氏:弊社のポスケットをインフラとして世の中に広げたいというのが最終の目的です。様々な所でバラバラに使われるのではなく、まず第一歩としては、ある特定の地域がポスケットを使うことで流通が便利になる、そういうコミュニティみたいなものが、どんどん広がっていくということです。流通の世界でいうと、Amazonと同じ土俵で戦って勝てる企業が今あるのか分かりませんが、それとはまったく違うベクトルで、地域の中で物をやり取りする、という考え方が流通の一つの答えではないかと思っているので、ぜポスケットを様々なな地域の単位で広げていく、というのが一番の目的ですね。

牧野氏:目的というとたぶん経営理念になってしまうので、お客様のためにお客様の満足をどう高めるか、というところに尽きると思います。また、お客様が満足しても社員が満足しなければ、会社は続かないと思いますので、会社を続けるためにどうするべきか。弊社の場合求人募集しても、なかなか入ってくれる人がいませんが、限られた人数で、より多くの仕事、より多くの満足を得るためにIoTが普及して、会社同士が繋がって、お互い補いあえるような未来が来ればいいと思います。

神戸氏:IoTがツールとして、将来的には自分たちが他社と連携することにより、お客様も満足でき、そして地域間が連携し、サービス自体も広がって行き、皆様の連携が深まり、もっと大きなものになりそうな可能性を感じます。




●会社にとってのAIの活用について



足立氏:現在AIの活用は具体的には無いですが、宅配ボックスに様々な情報が集まってくると、その情報を分析して、何か新しい対応ができるサービスがあるのかもしれないですね。私が最初に企業訪問をして無視をされたり、門前払いをされたりした時に書いていた資料がありますが、あの時は、本当に馬鹿みたいに、こんな箱があったらいいなということを書いていました。今から思うと、それはAIだったのかもしれません。例えば共働きのお母さんが家に帰って来たら、荷物が届いていて、その荷物を開けるとその箱が“お母さん今日はお疲れ様でしたー”と言ってくれる、そういう箱にしようと、最初は本気で思っていたのです。でも、それは優先順位から考えると全然違うので、今の形にたどり着いたのですが、もしかしたら、掃除機ではなくてルンバみたいな感覚で、物を受け取る宅配ボックスが生活の一部みたいな感じに様々なコンシェルジェ的な動きをしてくれたら、それはそれで楽しいのではないかなと思います。

牧野氏:人工知能は先ほども言った通り、まだとても小さい若主さんみたいな知識と解析をする能力しかない状態ですが、20年後を考えると、人工知能が社会や会社の中に入り込んで物事をやっていると思います。自分の会社に置き換えたとき、初めて子育てをする感覚で人口知能を育てていくと、人口知能の成長のスピードは2次直線で急激に上がってきます。急激に上がっていく知能に対して、CPUの開発のスピードはまだそこに追いついていませんが、それでも正比例ではなくて2次曲線的に上がっていくので、これはやっておかないとダメだと思ます。 RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とか、パソコンの中にロボットを仕込ませて仕事をさせるという業務が銀行等ではかなり進んでいます。伝票処理する人が一日で入力できることが、RPAを使うと、ほんの数秒で終わってしまうという技術が進んでいるので、そういうもの×AIで世の中がもっと劇的に進んでいくと思います。ただ今は、目から入って来る情報を処理する人間の能力の方が物凄い優秀です。今後AIをどのように繋げていくか、という答えが出れば、その会社はすごく伸びると思います。

神戸氏:AIはメディアも非常に話題にしていますが、とても便利だという気がするのですが、お二方は将来的にAIに取り組んでいけたら、より良くなるかもしれませんが、特に現段階では考えていらっしゃらないということですか。

牧野氏:見積もりをするのは、人間が見て、計算機を叩きながら、鉛筆をなめなめやっていくと出来ます。ただ、弊社の場合はものづくりなので図面があり、その図面をカメラで写真をパチっと撮っただけで、その値段がパッと出てくるようなことにAIを活用しようとしました。ですが、まだ人間がやった方が速いですね。これではAIで見積もりするのは無理じゃないか、ということになり、それならば写真を撮ってAとBが似ているのでその図面と図面を照らし合わせて、似ているのだから、この答えを出しましょうと言うように方向転換をしました。個別でAIはやっていますが、今までIoTで蓄積したデータを基にAIと組んで何をするか、本当に合致するものがあればいいなと思います。そういう意味で若干ですが現在、個別でAIを活用中という感じです。

神戸氏:今後、AIが牧野さんの会社とどのようにマッチしていくのか、ということですね。ありがとうございます。