安否確認システム 3Dマッピング技術 災害復旧技術(参考10) 分散型非常用電源 自動検出するシステム(出典5) 2.今後成長が見込まれる主な技術・製品の動向災害発生時に、個人や家族、従業員の安否情報をリアルタイムで通知・共有するためのアプリケーションやシステムである。電話やメールに比べて災害時に影響を受けにくいこと、直感的に操作しやすいこと等から導入が進み、中小企業が開発したアプリが100万件以上ダウンロードされる例もみられる。 近年では、3次元位置情報と組み合わせて避難経路や現在地の「高度」の情報を表示するアプリや、コミュニティ内で被害情報を共有したり救助を求めたりできるアプリ等、各アプリの高機能化・多様化が進む。国は防災情報のオープンデータ化を進めており、これらのオープンデータ等を活用して既存機能の精度や利便性をより高めることが期待される。 衛星やカメラで取得した画像データ等を基に、自動で3次元地図を生成する技術や、こうした技術を活用したアプリケーション及びサービスである。 3Dマッピングは、土地や建造物の起伏や高度を直観的・具体的に把握できるため、災害予測のシミュレーションやリアルタイムデータ、映像等と組み合わせ、より高精度な被害予測、災害発生後の被害箇所の検証、インフラ整備計画等幅広い用途への活用が期待される。3Dマッピングは2次元地図と比べて作成・更新のコストが高く、中小企業・スタートアップが自社のみで整備するのは困難だったが、「PLATEAU」によるオープンデータが整備されたことで、参入余地は拡大している。 図表 4.「PLATEAU」を活用した 避難ルート検索システム(出典4) 災害状況を迅速に把握して捜索範囲を特定するための技術や、人による活動が困難な地域での救助・復旧作業、物資輸送等、災害発生後の対応や二次被害の防止に関する技術である。具体的には、空撮映像から災害状況を検出・分析する技術、遠隔操作によって無人で工事やモニタリング等を行う災害支援ロボット、物資輸送ドローン等がある。 図表 5.AIによる画像解析を基に要救助対象を 最も導入が進む災害用ドローンは、2021年度時点で全国の消防本部の52.9%が導入し、4,000件以上の災害現場で活用されている。2022年12月にはドローンの「レベル4飛行(有人地帯での目視外飛行)」が解禁され、今後は市街地の災害現場でもドローンの活用が活発化すると見込まれる。一方、ドローンの活用範囲の拡大に伴って安全性への要求水準は高まっており、特にレベル4飛行においては、国が定める機体認証を取得する必要がある点に留意が必要である。 災害発生時の電力・通信インフラ遮断を回避するために分散して配置され、大手電力会社による系統運用に依存しない小規模な発電設備で、数時間~数日間であれば、家庭やコミュニティ内の電力需要を賄うことができる。主に蓄電池を活用した非常用電源が中小企業によって開発されているが、今後は再生可能エネルギーやEVバッテリー等の新たなエネルギー源を非常用電源に活用する技術が期待される。
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