政策動向 インフラ長寿命化のため、2030年の新技術導入率100%に向けた支援を実施(参考5~7) 市場動向 インフラメンテナンスの市場規模は2030年にかけて急伸。センサ技術や自己修復材料が成長に寄与(参考8) 項目 センサ モニタリング ロボット 自己修復材料等 衛星測位 衛星データ (要素技術別)(出典3) 市場規模(兆円) 2013年 2030年 0.5 10.0 0.0 20.0 0.005 2.0 0.0 30.0 11.0 29.0 0.1 1.6 国は、重要インフラ・老朽化インフラの点検・診断等の業務において、ロボットやセンサ等の新技術を導入している施設管理者の割合を2030年までに100%にすることを目指し、「建設技術研究開発助成制度」や「スマート保安導入支援事業費補助金」等により、インフラメンテナンス分野の技術開発を促進している。 また、導入主体となる地方自治体等に対して新技術の認知度向上を図るため、130以上の技術(2021年10月時点)を掲載した「点検支援技術性能カタログ」を作成している。更に、「インフラメンテナンス国民会議」では、新技術の社会実装を促進するため、地方自治体と新技術を保有する企業とのマッチングやマッチングに基づく実証実験に取り組んでおり、2020年までに計38件の新技術が各地方自治体等の現場で試験的に導入されている。 2013年の「社会資本メンテナンス元年」から10年を機に、2022年12月にとりまとめられた「総力戦で取り組むべき次世代の『地域インフラ群再生戦略マネジメント』~インフラメンテナンス第2フェーズへ~」では、特にインフラメンテナンスの課題が深刻化している小規模な市町村において、更なるメンテナンスの生産性向上に資する新技術の活用や技術開発、DXの促進等に取り組む方針が示されている。 都は、「『未来の東京』戦略」において、道路や河川施設等の計画的な予防保全型のインフラ管理や点検結果を踏まえた長寿命化を推進するとともに、ドローン等の活用により日常管理や災害時の対応を効率化・高度化することを掲げている。 インフラ点検・診断システム 新材料 宇宙インフラ インフラメンテナンスの国内市場規模は2013年に約5兆円と推計されている。 主な要素技術別にみると、2030年の世界市場ではインフラ点検・診断システムにおいてロボットやデータの活用が進むため、センサ市場が10兆円、モニタリング市場が20兆円にそれぞれ拡大すると推計されている。 図表 8.インフラメンテナンスの世界市場規模 また、都の試算によれば、インフラ維持管理分野における産業用ドローンの市場規模は、2018年の1億円から2030年には49億円に成長すると推計されている。 「生成系AI」で変わるインフラ設計 事務や接客の業務を効率化する新技術として期待される「生成系AI」は、製造や設計の分野でも活用が進む可能性がある。 すでに海外では、AIに地理的条件等を入力してインフラ施設の設計図を自動生成することで設計時間を大幅に短縮した事例等が生まれており、今後の技術開発の動向が注目されている。
元のページ ../index.html#13