HTML5 Webook
22/59

2.今後成長が見込まれる主な技術・製品の動向 各種スポーツに関する技術 スポーツ観戦に関する技術 フィットネス/トレーニングに関する技術 障害者スポーツに関する技術(参考4) 9 実際の試合における選手の能力をスコア化したうえで、ユーザが応援するチームの選手の中から架空のチームを組成し、他の利用者と競い合うシミュレーションゲーム。 スポーツ活動の機能性・快適性を訴求するウェア、シューズ、グッズや、それらに用いられる機能性素材、日々の運動量を確認するウェアラブル機器等が開発されている。近年は、スポーツの分野にAIやIoT等の先端技術を活用し、個人のスポーツ技術の向上やプレー分析、試合の判定補助等を行うツールもみられる。 これらの技術は、プロ向けにとどまらずアマチュア向けや審判等のサポート主体向け等に幅広くニーズがあるほか、競技種目によるバリエーションも多い。大がかりなハードウェアよりも個別のアプリケーションが必要とされる傾向があるため、競技種目や実施主体ごとのアプリケーションやソフトウェアにおいて、中小企業の参入可能性がある。 従来は、スタジアムでより快適にスポーツ観戦を楽しむための技術が開発されてきたが、近年ではAR・VR、IoT等の技術により、リモート環境で試合観戦を可能にするツールの開発が進んでいる。また、欧米で人気を集める「ファンタジースポーツ9」が2021年から国内でも提供を開始する等、スポーツ観戦の在り方は大きく変化しつつある。 図表 24.観戦を楽しむ新しいアプリの例(出典5) 新たなスポーツの観戦においては、ユーザは競技を観戦するだけでなく、選手や試合の情報をより多く求めるようになるため、スポーツニュースやスポーツ関連のデータを分析するニーズが高まると考えられており、スポーツマーケティングやデータ解析の技術・ノウハウを有する中小企業の参入が期待されている。 自宅での運動に用いる技術・製品で、スマートウォッチ、センサを内蔵したウォーキングシューズ、バイタルセンサが縫い込まれたトレーニングウェア等が開発されてきた。コロナ禍以降は、ジムと同様の運動を自宅で行うニーズが拡大しており、アシストスーツを用いて負荷を可変するリモートフィットネスや、リアルタイムで運動の映像やバイタルデータをインストラクターに伝送し、適切な指導を受けられるオンラインフィットネスアプリ等が新たに開発されている。 フィットネスに関しては個人の趣味嗜好が多岐にわたることから、個人のニーズを細やかに捉えた技術・製品の開発が期待されている。 障害者スポーツ関連用具の主な製品としては、各競技に合わせた車椅子、義肢・義足のほか、競技種目や障害の種類に合わせた補助器具等がある。 これらの製品はユーザごとの作り込みやカスタマイズが必要な場合が多いため、大手企業よりも柔軟な対応が可能な中小企業の参入可能性は高い一方、安定的な需要が見込みづらいため大量生産が難しく、低コスト化が難しいことが課題とされる。このような課題に対して、先行する企業では、素材・成形法の変更や製品の規格化によって低コスト化を実現した例がみられる。

元のページ  ../index.html#22

このブックを見る