テーマ5 子育て・高齢者・障害者等の支援に関する技術・製品の開発 1.現状・市場動向と課題現状と課題 都の出生数は9.5万人で戦後最少を更新。合計特殊出生率は全国最低(参考1) 共働き世帯が増加する一方、女性が担う子育て・家事・介護の負担は大きい(参考2) 2021年における都の出生数は9.5万人(対前年比4.3%減)で、戦後最少を更新するとともに、2015年から15.7%減と急速に減少している。また、合計特殊出生率は1.08で、全国最低の水準が続いている。 都内の二人親世帯数に占める共働き世帯の割合は66.7%(2022年度)で、直近5年間で5ポイント、過去20年間で26ポイント増加している。 その一方、家事・育児における女性の負担は依然として軽減されていない。都が2021年度に実施した調査では、子育て世帯が家事・育児・介護にかける時間(1日当たり)は、女性の計8時間54分に対して男性は3時間34分にとどまり、男女で5時間以上の差があることが明らかとなった。女性の家庭内での労働時間は前回調査(2019年度)より20分増加しており、コロナ禍を経て家庭における女性の負担はむしろ増大したことがうかがえる。 図表27.都内子育て世帯が家事・育児等に かける時間(男女別)(出典1) 2025年以降、働きながら介護に従事する「ビジネスケアラー」が増加する見込み(参考3) 都の雇用障害者数は2022年に過去最高を更新するも、全国平均を下回る(参考4) 政策動向 「第4次少子化社会対策大綱」の策定や「こども家庭庁」の創設により、子供を中心とした社会づくりの機運が高まる(参考6~7) ベビーブーム世代が後期高齢者になる2025年以降、仕事をしながら家族等の介護に従事する「ビジネスケアラー」の増加が懸念されている。経済産業省の推計によれば、2030年には家族介護者の約4割に相当する約318万人(対2020年比21.4%増)が「ビジネスケアラー」であり、介護離職や労働生産性の低下による経済損失額は9.2兆円に上る。 障害者雇用促進法の改正等により、都における民間企業の雇用障害者数は、2022年に過去最高の22.8万人(対前年比4.1%増)となった。しかしながら、法定雇用率(2022年時点、民間企業の場合2.3%)を達成している企業は全体の32.5%で、全国平均(48.3%)を下回っている。 コロナ禍により、不登校児数は過去最高を更新 2021年度における小中学生の不登校児数は、過去最多の24.5万人(前年度比24.9%増)となった。 短期的にはコロナ禍による一時的な休校が影響したとみられるものの、小学生の不登校は過去10年で約4倍となる等、通学できない子供の数は中長期的に増加している。 国は、2020年に策定した「第4次少子化社会対策大綱」において、「希望出生率1.8」という政府目標を定めた。また、2023年4月には「こども家庭庁」
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