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2.今後成長が見込まれる主な技術・製品の動向 教育ツールに関する技術 ベビーテックに関する技術 フェムテックに関する技術 自動記録ができるIoT収納ケース(出典3) コロナ禍によって、オンラインでの学習支援や授業支援、校務支援に再び注目が高まっている。また、2022年度から高校教育の学習指導要領が改訂され、「探究学習」や「情報」科目が必修化された。経済産業省は2023年度に「探究的な学び支援補助金」を新たに実施して、探究学習や情報活用能力育成に資するサービスの導入を支援している。 一方、特に公立学校を対象としたサービスは、国の学習指導要領や地方自治体の予算による影響を受けやすいこと、企業にとって短期的な収益化が困難であること等に留意し、試験導入後の継続性を見据えたサービス開発が求められている。 育児の負担を軽減するための技術・サービスであり、主な製品・サービスとして、遠隔見守りロボットやベビーモニタ、音声や映像で寝かしつけや知育を支援するデバイス、乳幼児の睡眠や気分を検知するセンサ、子育て記録アプリ、保育所支援サービス等が挙げられる。 図表 29.絵本プロジェクタによる寝かしつけ支援現在開発されているベビーテックの製品・サービスの多くは中小企業によるものである。また、ベビーテックは乳幼児が使用する製品・サービスであり、日本製の安全性・信頼性は海外でも評価が高いため、国内より出生率が高い海外市場への展開を視野に入れることも考えられる。 (出典2)一方、ベビーテックは必要な期間が限定的であることから、先行地域における実証事業では、レンタルやサブスクリプションのニーズが高いこと、子供の成長に伴って機能を追加できる仕組みが求められていること等が明らかになっており、参入にあたってはこのようなベビーテックの特性を踏まえて製品・サービスを設計することが重要である。 女性の健康課題をテクノロジーで解決する製品やサービスである。 フェムテックの製品・サービスは、健康管理・トラッキングサービス、簡易検査キット、不妊・産後うつ等に関するオンラインメンタルケア・心理カウンセリング、肌への刺激が少ない新素材やケア製品等多岐にわたる。すでに多くの中小企業・スタートアップが参入しており、市場形成の機運が高まっている。 図表 30.生理用品の在庫管理と生理周期の 一方、女性特有の体や心の問題はこれまで必ずしも顕在化して来なかったため、ユーザである女性自身の認識や理解が十分でないことも多い。参入にあたっては、単に製品・サービスを開発するだけでなく、フェムテックへの潜在的なニーズの把握や、社会受容性向上のための情報発信・普及啓発も求められる。

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