16 「持続可能な航空燃料(Sustainable Aviation Fuel: SAF)」は、植物やバイオマス、廃棄物等を原料とする航空燃料。 2.今後成長が見込まれる主な技術・製品の動向 ZEB・ZEHに関する技術(参考8) 脱炭素燃料 ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング)、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)は、高効率な設備システムによる大幅な省エネと再エネの導入により、年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建築物である。 図表 41,ZEBのイメージ(出典3) 省エネ技術では、高性能断熱材、高性能断熱・遮熱窓等の外皮断熱や日射遮蔽等の素材開発に強い中小企業に参入の余地がある。エネルギーの効率化技術では、高効率の照明や空調、自動調光制御等に中小企業が参入している。国は、今後10年間でZEB・ZEHに対して約14兆円の大規模投資を行う方針を示しており、中小企業の参入余地も拡大している。 CO2濃度を増加させないバイオ燃料や合成燃料等のカーボンニュートラル燃料(CN燃料)と、燃料に炭素が含まれない水素やアンモニア等のカーボンフリー燃料に関する技術である。 水素やアンモニア、バイオ燃料、SAF16の社会実装に向けた実証実験が行われており、発電、輸送、産業用熱需要等の分野で利用拡大が見込まれる。 水素関連では、配管やバルブ、液化水素ポンプや熱交換器、各種計測・検知機器や安全装置等の部品調達を中心に、様々な中小企業参入の余地がある。 水素エネルギー・再生可能エネルギーに関する技術 アップサイクル技術 大企業との提携においては環境への配慮が求められることから、自社のサプライチェーン全体の脱炭素にも取り組む必要がある。 カーボンフリーな社会実現に向けて、太陽光発電や風力発電等の再エネ導入が進んでいる。中でも日本発の技術であるペロブスカイト太陽電池は、超薄型・軽量、世界最高の変換効率、低コスト、国内のみで原料調達が可能等多くの強みを有し、次世代太陽光電池の本命として世界的な注目を集める。 図表 42.ペロブスカイト太陽電池(出典4) 材料開発、モジュールの製品化等に実績を有する中小企業や、太陽光発電の大量導入に向けて、太陽電池の製造装置やメンテナンス関連の技術を有する中小企業へのニーズは大きい。 形を変えるごとに品質が低下する一般的なリサイクルに対して、リサイクルによって廃棄物に新たな付加価値をつける技術で、脱炭素やSDGsの観点から食品・アパレル・林業・化学等幅広い分野で開発が推進されている。廃棄間近のパンからクラフトビールを生み出す技術や、廃棄木材に含まれるリグニンを触媒反応により航空燃料の原料に転換する技術等、中小企業が開発した技術や製品も多くみられる。
元のページ ../index.html#34