21 人間の動作と力加減をデータとして抽出・参照・保存し、触覚体験を再現する技術。 2.今後成長が見込まれる主な技術・製品の動向 メタバース・AR・VR技術 五感再現技術 メタバース、AR(拡張現実)、VR(仮想現実)等の超臨場感を実現する技術である。近年では、現実世界と仮想世界を融合し、現実にないものを知覚できるXR(クロスリアリティ)技術を用いた「屋外周遊型XRテーマパーク」や、自動運転技術とXRを融合させてエリア全体をひとつのテーマパークとして有機的に機能させる「エリアテーマパーク化手法」等の開発も行われている。 図表 48.屋外周遊型XRテーマパーク(出典4) コンテンツ制作時に3Dスキャナやモーションキャプチャから映像を作成する技術、3D映像から特定部分を抜き出す技術、VRゴーグルのハードウェアの軽量化や処理能力の向上等に関する技術を有した中小企業の参入が期待されている。これまではエンターテイメントや観光分野への導入が先行してきたが、今後は不動産、防災、教育、医療等への展開が進むと考えられ、技術の応用可能性は大きい。 五感再現技術とは、人間の五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)を仮想的に再現する技術で、従来の音声や画像に加え、触感や味、匂い等の感覚を共有し、現実感のあるコミュニケーションを実現する。また、VRやロボット等と組み合わせることで、臨場感のある体験を再現することも可能となる。 観光分野では、リアルハプティクス21を5GやAR・VRと組み合わせた「感触動物園」や、香りや感触を感じるミストとVR等を組み合わせて、全身で仮想的に観光を体験できるサービスも生まれている。更に、五感情報のセンシングと再現デバイス、符号化・伝送技術の開発が進んでおり、今後は義手と連動した触覚再現や人的作業の自動化等、幅広い用途が見込まれる。 多種多様なデータを一元管理し、分析を行う基盤に関する技術で、ユーザごとに異なる属性や趣味嗜好・関心等を抽出し、各ユーザに最適化された効果的なマーケティングに繋げることができる。 観光分野においても、位置情報等を基に旅行客の行動や興味・関心をビッグデータとして収集・分析するデジタルマーケティングの重要性は高まっており、人流解析、混雑度の可視化、混雑情報に応じたダイナミックプライシング等において、スタートアップによるサービスが提供されている。都は、観光統計調査をダッシュボードで掲載する「東京都観光データカタログ」を2022年に開設し、観光事業者のデジタルマーケティングを支援している。 図表 49.東京都訪問地ヒートマップ(出典5) NFT(Non-Fungible Token/非代替性トークン)は、「偽造・改ざん不能のデジタルデータ」であり、ブロックチェーン上でデジタルデータに唯一の性質を付与して真正性を担保する機能や、取引履歴を追データマネジメントプラットフォーム(DMP) NFT(参考12)
元のページ ../index.html#38