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2.今後成長が見込まれる主な技術・製品の動向 カーテレマティックス/コネクティッドカー 自動車等の移動体にインターネット通信やGPS機能を備えた機器を搭載することで、リアルタイムで様々な情報・サービスを提供するシステムである。 車両や道路・建造物・信号機等からデータを収集・解析するIoT・ビッグデータ等、サイバー攻撃に対するセキュリティ技術、解析データに基づく各種サービスやアプリケーション、シェアリングや決済機能との連携技術等の技術を持つ中小企業が広く参入している。 車両やインフラとの通信を大容量かつ低遅延で行う手段として、端末に近い領域で処理を行うMEC(マルチアクセスエッジコンピューティング)を活用し、5Gの高速・大容量通信等を最大限活用する動きも見られる。 自動車が独自に「認知・判断・操作」を行い、自動車に搭載されたシステムが自立して運転するための技術である。特に、車載カメラ等の各種センサが映す画像を分析し、そこに映った歩行者や周囲の車両、道路標識等を瞬時に識別する画像認識技術は重要性が高い。すでに、GPSや磁気マーカーを活用した車両の位置推定技術や各種センシング技術、制御技術、運行管制制御等を組み合わせた自動運転システム・車両の開発や、AIアルゴリズム、3次元地図の作成等に、中小企業やスタートアップが幅広く参入している。参入にあたっては、自動運転に関連するガイドラインを遵守し、安全性や規制に関する動向を注視する必要がある。 図表 54.国内初の認可済自動運行装置(出典4) 自動運転支援装置・システム オンデマンド交通に関する技術 エアモビリティ/ドローン(参考7~8) 利用者の要望に応じて柔軟にルートを設定する乗合交通サービスである。効率的に乗降車させるルートを計算する技術や、車両の運行をリアルタイムで管理する仕組み等が必要となるため、最適な乗降場所を計算する手法や、オペレーションセンターと車両の間で通信を行うシステム(車載器や通信インフラ)等へのニーズがある。 観光業の需要回復に伴う2次交通の需要増や高齢化・過疎地対応等、地域によってニーズが異なることから、参入にあたっては、実証を積み重ね、導入先のニーズに対する効果を検証する必要がある。 電動・垂直離着陸が可能な小型の飛行体(「空飛ぶクルマ」等)で、航空機やヘリよりも身近で手軽な空の移動手段として注目されている。 図表53.エアモビリティのイメージ(出典5) 「空飛ぶクルマ」について、国は「空の移動革命に向けたロードマップ」を示し、2025年の大阪万博での実用化に向けた動きを進めている。経済産業省は、2022年度から「次世代空モビリティの社会実装に向けた実現プロジェクト(ReAMoプロジェクト)」を開始し、ドローンや「空飛ぶクルマ」等の性能評価や運行管理技術の開発を支援している。 機体技術やバッテリーの技術に加え、インフラの整備や機体のソフトウェア、運航管理やサービスプラットフォームの構築等も必要となるため、参入する中小企業・スタートアップも多様化している。一方、各種規制、社会の受容性、安全基準の問題等は

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