3.子供・子育て支援に関する取組事例 事例1 株式会社村田製作所:車内の子供置き去り防止ソリューション ~子供の置き去り事故ゼロを目指して~(参考5) ユニ・チャーム株式会社:AI・IoTを生かした赤ちゃん向け商品開発 事例2 ~赤ちゃんの健やかな育成環境の実現を加速~(参考6)子供の車内置き去り事故が社会的な注目を集めている。事故を受けて、村田製作所はセンシングアルゴリズムを開発する企業(米Origin Wireless)と協業を行い、車内での子供の置き去りをWi-Fiの電波で検知するソリューションを開発した。 開発したソリューションでは、車内にWi-Fi送受信デバイスをセットで設置し、車内に発信したWi-Fiの電波の反射を検出、電波の反射の周期性変化等から子供の動きや呼吸を検知することができる。人の目による降車確認を行いつつ、ソリューション導入による確実な降車確認の実現が送迎バス利用事業者から期待されている。 車内の置き去り防止を支援する安全装置については、各種センサを活用したソリューション開発、車載機器との協業、通報装置などで中小企業の参入が期待されている。 ユニ・チャーム株式会社は、赤ちゃんの健やかな育 ユニ・チャーム株式会社は、ベビーテックベンチャーである株式会社ファーストアセントへ出資し、赤ちゃんの「泣き声」の分析に基づいた紙おむつの開発や、子育て支援サービスの拡充を行い、赤ちゃんの健やかな育成環境の実現を加速させていくと2021年5月発表した。 ユニ・チャームは、デジタル技術を積極的に活用して事業活動の改革に取り組んでいる。その一例として商品開発にデジタル技術を活用し、赤ちゃんにとって心地よい紙おむつを提供している。ファーストアセントは赤ちゃんの「泣き声」や「睡眠」のデータから感情、体調を予測するAI・IoTの開発を強みとする企業で、赤ちゃんの泣き声を分析して欲求を分析する世界初のデバイス「CryAnalyzer Auto」や、赤ちゃんの寝かしつけを行うスマートベッドライト「ainenne」を開発した。 ファーストアセントの持つ赤ちゃんに関する分析技術を用いて、ユニ・チャームは商品やサービスの開発を加速している。赤ちゃんや子供の欲求に関する分析や解析については未知の部分が多く、中小企業が開発する余地がある領域と考えられる。
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