中小企業技術活性化支援事業令和5年度 新製品・新技術開発助成事業

助成限度額:1,500万円 助成率:1/2

Karydo TherapeutiX株式会社

令和元年度採択
「CKD誘発物質リン過剰摂取 自己検査装置の開発」

「誰もが、いつでも、簡単に」
 ~慢性腎臓病予防に貢献する自己検査キット&アプリ~

開発内容

開発の経緯

 当社は、生体の多器官連関ネットワークを“見える化”する独自のAI技術を含むデータサイエンスを駆使し、疾病の早期発見・早期治療を可能とする様々な技術の研究開発および商品開発を行っている。
 今回、自覚症状に乏しい慢性腎臓病(CKD)の予防医療に役立てるため、自分の生活習慣がCKDの発症リスクを高めていないかを簡単に自分でチェックできる検査キットとスマートフォン(スマホ)用アプリを開発するに至った。

開発の特徴

 従来の検査法では、腎機能低下前にCKDの前兆を検知することが難しい。当社は、腎機能低下前にCKDの前兆を検知するために、これまでの研究で、CKDを誘発する食生活(リンの過剰摂取)で唾液腺からの分泌が増す生体物質を見出した。今回、その生体物質の唾液中濃度を一般の家庭で簡単かつ廉価に測ることができるイムノクロマト基板と、その基板をスマホで撮影すればその唾液中濃度がCKDを誘発する危険のあるレベルか、それ以下かを数秒で判定できるアプリを開発した。

写真1.検査キットおよびスマホ用アプリ
写真1.例)右から、アプリのスタート画面を表示したスマホ、イムノクロマト基板、唾液を採る綿棒、
綿棒を浸す希釈液が入った容器、容器を立てる紙製の台。

今後の展開

 
 現在、アプリの多機種対応化に必要な追加検体(唾液)測定とアプリ調整に向けて、複数の大学等と連携して数千規模の検体採取を進めている。国内のCKD患者は成人の8人に1人(出典:日本腎臓学会CKD診療ガイド2012)、世界では9.1%(出典:Global Burden of Diseases, Injuries, and Risk Factors Study 2017)で年々増加しており世界規模の課題であることから、国内/海外企業と協働して世界のCKD患者の減少に寄与したい。

お客様の声

活用メリット

 今回の成果物であるアプリの開発には数百人の唾液・血液検体とその被験者の各種情報が必要であり、本助成事業に採択していただかなければ、小さなスタートアップ企業である当社では到底実施できなかった。また、本助成事業によりPOCとプロトタイプを得られたことで、社員や協力者(大学等)のヤル気が高まったほか、連携/協働候補企業からの信頼感や関心も得やすくなった。採択していただいたことに応えられる実績をだせるよう一層邁進したい。

表彰・実績等

  • 令和元年 新製品・新技術開発助成事業採択
  • 平成30年 製品開発着手支援助成事業採択

Karydo TherapeutiX株式会社

代表取締役:佐藤 匠徳
住所:東京都千代田区一番町6
設立:2015年
資本金:9,000,000円
従業員数:14名
事業内容:疾病の早期発見・早期治療を可能にする創薬及び診断薬の技術開発
URL: https://karydo-tx.com