中小企業技術活性化支援事業令和5年度 新製品・新技術開発助成事業
助成限度額:1,500万円 助成率:1/2

株式会社ORPHE
平成30年度採択歩行データの記録が可能な靴及びデバイスの開発
開発内容
開発の経緯
当社は、センサや無線機器を内蔵した靴である「スマートフットウェア」の開発を行っており、2016年には約100個のフルカラーLEDや9軸モーションセンサ、BluetoothLEモジュールなどを内蔵した靴を販売し、光による表現力、ファッション性で高い評価を受けている。
近年世界的にランニング時の計測ニーズが高まり市場が形成されているが、国内、海外をみても運動解析精度の高い製品は現時点ではあまりない状況である。そこで、運動を高精度にセンシングでき、記録や解析ができる機能をもつ靴及びデバイスの開発に至った。
開発の特徴
靴内部のセンサデータから、着用者の歩容解析(歩幅、歩行速度、歩調など)および機械学習による行動推定(停止・歩行・走行状態、乗車物の状態など)が可能であり、また着用者にLEDや振動モーターによって情報をフィードバックすることや、BluetoothLEを通じて外部機器との通信も可能である。シューズ内部にセンサを設置したことで微細な足部の移動距離を算出できるなど足の動きに特化した行動推定は、スマートフォンやリストバンド型等と比べて特徴的である。

今後の展開
複数の大手企業や医療機関と実証実験やデータ収集を進めている。歩行データをスポーツ分野だけでなく、医療分野やヘルスケア分野などで活用できないか、事業化の可能性を検討している。また、研究機関と共同で今回開発したアルゴリズムをより発展的な内容に改良する。精度を高めるとともに汎用性の高いアルゴリズムとすることで、ビジネスシーンでの利用拡大が期待できる。

お客様の声
活用のメリット
助成事業の採択により企業信用力が向上致しました。また、本事業内の達成目標に製品精度の向上を掲げており、技術的信頼性の基準を明確化したことで、社内としても目標達成を意識する一助となりました。
これらの結果は体外的な説明時に大変役立っております。
本事業を達成したことで商品化されてから、現在は大手靴メーカーとの協業、大学との共同研究が実現しました。
表彰・実績等
- 令和2年 CES202にて株式会社アシックスと共同開発している「スマートランニングシューズ」のプロトタイプを公開。同時に株式会社アシックスの投資子会社、アシックス・ベンチャーズ株式会社を引受先とする第三者割当増資を実施。
- 令和元年 ORPHE TRACK販売開始、大阪大学との共同研究を発表、慶応大学との共同研究を発表
- 平成30年 新製品・新技術開発助成事業 採択
- 平成29年 第20回文化庁メディア芸術祭 審査委員会推薦作品 文化庁
- 平成28年 ASIA DIGITAL AWARD 2015 Excellence Awards (Asia Digital Art Award Executive Committee)
- 平成28年 グッドデザイン賞 (公益財団法人 日本デザイン振興会)
株式会社ORPHE
代表取締役:菊川 裕也
住所:東京都渋谷区代々木5-7-5 PORTAL POINT Yoyogi-Koen401
設立:2014年10月
資本金:1億円
従業員数:10名
事業内容:IoT機器、主にスマートフットウェアの研究開発
URL:https://orphe.io/