平成28年度 次世代イノベーション創出プロジェクト2020助成事業
支援対象事業が決定しました
本事業は、東京都が策定する「イノベーションマップ」(※注)に沿って、都内中小企業が、他企業、大学、公設試験研究機関等と連携し、それらの技術・ノウハウを活用して取り組む成長産業分野の技術・製品開発に要する経費の一部を助成するものです。
このたび、イノベーションマップに示す4分野12テーマにご応募いただいた中から、審査の結果、以下のプロジェクト14件を平成28年度の支援対象として決定しました。
なお、選定された中小企業には、今後最長4年間にわたりプロジェクトの進捗に応じて経営・技術支援等を行う連携コーディネータを配置し、実用化に向けた継続的支援を行います。
(※注) 「イノベーションマップ」とは
「健康・スポーツ」、「医療・福祉」、「環境・エネルギー」、「危機管理」の成長産業分野において、大都市東京の都市課題の解決に資する技術・製品開発テーマを明らかにし、その技術・製品開発動向や中小企業による実用化の可能性をまとめた技術開発指針。
支援プロジェクト一覧
1.健康・スポーツ分野
開発支援テーマ |
企業名 |
概 要 |
障害者スポーツに関する技術・製品の開発 |
株式会社ケイズデザインラボ |
●研究開発テーマ
競技用義足への3D人体計測応用技術の開発
●内容
最先端の3D人体計測技術を用い競技者にとって最適な競技用義足とのマッチングシステムを開発する。モノ(義足)単体の開発では素材の面、解析に基づく形状面、共に種々開発が進められているが競技者本人の人体の特性側から見て最適な義足の形状やアライメントの数値化を狙う開発は例を見ない。本開発では3次元スキャンで得られるデータを活用し、最適・最高な義足の開発、及び従来の勘と経験に依存したアライメントのノウハウをデジタル化し支援システムを開発する。
●URL:http://www.ksdl.co.jp/
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2.医療・福祉分野
開発支援テーマ |
企業名 |
概 要 |
各種医療機器とその部品・部材に関する技術・製品の開発 |
極東製薬工業株式会社 |
●研究開発テーマ
高感度抗体の安定製造技術の確立と診断応用
●内容
感染症や癌等の抗体を用いた迅速診断法の感度向上は、医療現場の常なる課題である。高感度抗体は、マウス脾臓Bリンパ球よりも骨髄Bリンパ球、また、マウスよりもウサギBリンパ球に多いといわれるが培養維持の困難性や抗体分子同士の凝集等の不安定な物性に問題があり実用化の壁になっている。そこで抗体産生細胞の培養、抗体精製、溶媒、検出等の要素技術を改善した製造技術の確立を通じて一段階上の高感度診断キットを開発する。
●URL:http://www.kyokutoseiyaku.co.jp/
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ケーディーアイコンズ株式会社 |
●研究開発テーマ
感染症微生物画像のAI解析システム開発
●内容
本研究開発は、熟練スタッフの目視判定のノウハウを「検体の顕微鏡画像」から各種特徴データを抽出し、AIによる判定を行うものである。感染症に罹患している患者から採取した検体に対して染色し顕微鏡にて、その検体染色画像を判定する熟練者の目視検査の自動化に関するものである。熟練者不足を解消し、かつ検体採取から30分後に主治医に患者の感染症微生物の有益情報を提供でき、より迅速治療に貢献する先駆的な開発である。
●URL:http://www.kd-icons.co.jp
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コデン株式会社 |
●研究開発テーマ
経鼻胃管挿入誘導装置の開発
●内容
自力で食事が取れない患者に流動食を経鼻胃管を使って胃に流動食を送る医療行為が有ります。このチューブを鼻から挿入し、喉頭を通って、胃の中に挿入されます。しかし時折、このチューブが胃ではなく肺に入り医療事故を引き起こすことが有ります。その誤挿入を無くすための病棟で使える移動が容易な経鼻胃管挿入誘導装置を開発いたします
●URL:http://www.coden.co.jp/
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システム・インスツルメンツ株式会社 |
●研究開発テーマ
がん性変異PSA特異的検出用抗体の開発
●内容
前立腺特異抗原(PSA)は前立腺がんの診断に用いられる血中マーカーである一方、前立腺肥大症(BPH)患者血中でも検出されるため、前立腺がん(PC)かBPHかの判断が困難な測定値領域(グレーゾーン)が存在する。グレーゾーンを解決する有効な技術がまだ実用化されていない中、本申請は、前立腺がん患者血中でのみ観察されるがん性変異PSAをマーカーにすることを解決法のコンセプトとし、診断装置の消耗品の部材として、がん性変異PSA特異的抗体と、それを含むがん性変異PSA診断キットの開発を行うものである。
●URL:http://www.sic-tky.com/ |
日本シグマックス株式会社 |
●研究開発テーマ
超安価・超小型な超音波骨密度計の研究開発
●内容
現行品に比べ、小型で安価な骨密度計を実現することにより、在宅での検診が簡単に行えるようになり、骨粗鬆症検診率の大幅な向上が期待出来る。これにより高齢者における骨折予防が可能となり、健康寿命の延伸、医療費の削減が期待できる。また、被爆が無いため学校検診においても容易に使用でき、若年者における骨の健康についての啓蒙活動が容易に行えるため、骨の健康を維持することが期待できる。
●URL:http://www.sigmax.co.jp/ |
フィンガルリンク株式会社 |
●研究開発テーマ
外耳道内連続鼓膜温、SpO2測定機の開発
●内容
麻酔下に於ける生体情報として、深部体温およびSPO2(動脈血酸素飽和度)測定は必要不可欠である。現状、SpO2は手指、本邦では体温は直腸測定(欧米では喉温度)が多用されているが、麻酔科医にとってはこれらを手術に障害を及ぼさない頭部で深部体温測定できることが理想的であり、外耳道に於ける体温、SpO2測定は管理上のみならず頻繁に体洗浄ある為、直腸温度が変化に対しての患者情報を得るためにも有効である。本開発の外耳導留置型測定器は本邦のみならず世界初の機器となり、麻酔モニターに一石を投じる生体測定器の試作開発を実施する。
●URL:http://www.finggal-link.com |
三鷹光器株式会社 |
●研究開発テーマ
超軽快操作の新方式小型顕微鏡システム
●内容
現在1500万円以下の小型手術用顕微鏡システムについては、顕微鏡支持アームにガスシリンダー方式を採用している外国製顕微鏡が主流である。しかしこの方式には位置移動、特に最も重要な焦点方向の移動に対して筋力が必要で、術者の大きな負担となっている。本研究開発では当社が開発し、ハイエンドの手術用顕微鏡では世界の主流であるカウンターウエイト方式を改良した特許技術により、極めて軽快に位置変更が可能な小型顕微鏡システムを開発し、この市場のシェアを奪う。
●URL:http://www.mitakakohki.co.jp/ |
リバーフィールド株式会社 |
●研究開発テーマ
世界で戦える国産手術支援ロボットの開発
●内容
空気圧の精密駆動技術を用いた低侵襲手術支援ロボットシステムを開発する。装置の省スペース化を実現するとともに、既存機器との組合せが可能なオープンプラットフォームにより、システムの導入/運用コスト適正化のニーズに応える。また、大学研究で培った高精度な力覚フィードバック技術を製品に落とし込むことにより、術者のユーザビリティを高め、安全かつ高品質な手術手技が可能となることで事故防止や合併症の抑制に寄与する。
●URL:http://www.riverfieldinc.com/ |

3.環境・エネルギー分野
開発支援テーマ |
企業名 |
概 要 |
環境改善に関する技術・製品の開発 |
MSI.TOKYO株式会社 |
●研究開発テーマ
異臭を含む微量VOCの現場分析計の開発
●内容
大気中に含まれる化学物質を完全に排除することは困難ながら、国内では人体にとって安全か否かを見極めるための分析手法及び判定基準が設定され、安全な生活環境を維持している。本事業では、臭気性の高い物質、無臭ながら毒性の高い物質を含む揮発性有機化合物(VOC)を網羅的、且つ迅速・簡易に現場で分析する装置を開発する。これによって、東京都の課題である「水と緑に囲まれ調和した都心の実現のため、一層の大気汚染対策の実施」に貢献する。
●URL:http://www.msi-tokyo.com
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環境リサーチ株式会社 |
●研究開発テーマ
IoTを用いたVOC常時監視装置の開発
●内容
光化学オキシダントやPM2.5の発生を抑えるため、その原因であるVOC排出量のより一層の低減が求められている。そのためには日常管理や自主的取組が重要となる。本事業では中小企業でも取組やすいように、IoTデバイスを活用した低価格で高感度なVOC測定器を開発する。VOC排出量の見える化やアラート機能によって常時監視を行い、既存の制御システムと連動し自動制御も可能なモニタリングシステムを構築する。
●URL:http://www.kankyo-research.co.jp/index.html |
4.危機管理分野
開発支援テーマ |
企業名 |
概 要 |
生活の安全・安心に関する技術・製品の開発 |
株式会社雄島試作研究所 |
●研究開発テーマ
テラヘルツ波による郵便物等非破壊検査装置
●内容
テラヘルツ光領域は種々の物質の指紋スペクトルが取れることが知られているが、今まで連続発光の高速波長可変テラヘルツ光源がなかったことで、実験室においてはパルス光源を使用したTDS法での測定しか行われていなかった。そこで当社が開発した波長可変テラヘルツ光源、および応答速度の速いテラヘルツディテクタを組み合わせることで従来にない小型の郵便物非破壊検査装置を開発する。
●URL:http://oshimashisaku.jp
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株式会社マルコム |
●研究開発テーマ
CFP法による簡易迅速微生物検査法の開発
●内容
飲食品の製造現場で求められる簡易迅速な微生物検査法を開発し、従来法では数日間を要した検査時間を数時間にまで短縮する。本検査法ではインキュベータ内に広視野一括撮像センサを搭載し、寒天培地上の微生物コロニーの形成過程から、微生物の種特異的な光学パターン、コロニーフィンガープリント(CFP)を取得する。中小飲食品製造会社におけるインフラ設備としての普及を目指す。本検査法により微生物混入の早期検出による製品保管コストの削減やリスク低減への貢献を果たす。
●URL:http://www.malcom.co.jp |
インフラメンテナンスに関する技術・製品の開発 |
株式会社レーザック |
●研究開発テーマ
長距離型3次元変形センシング技術の開発
●内容
1本の紐の内部に複数の光ファイバ歪みセンサを線状配置し、長距離で連続分布的に得られる歪み値から紐の曲がり形状を3次元的に演算できるセンサを開発する。このセンサをトンネル・橋・パイプライン・高速道路・空港・港湾・斜面・洋上施設等、老朽化に悩む社会インフラ構造に添わせることで、長大構造物の異常な変形を迅速に検知できる。従来の光ファイバセンサと異なり、このセンサは煩雑な接着施工は不要である。
●URL:http://www.lazoc.jp
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□ 問い合わせ先 □
助成課
TEL:03-3251-7895 / E-mail:josei@tokyo-kosha.or.jp