令和5年度 人財マネジメントハンドブック
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13行動する人Volatility(変動性):先の見通しを立てることができない、予測不可能な、変動が激しい状態のこと。Uncertainty(不確実性):不確実なコントロールできない事象が起き、将来を予測できない状態のこと。Complexity(複雑性):さまざまな要素・要因が複雑に絡み合っていて、容易に解決策を導き出せない状態のこと。Ambiguity(曖昧性):これまでの経験や実績が通用せず、確実な対応策を見つけられない曖昧な状態のこと。豆知識(2)「関係性」が問われる時代にヒトは企業活動の中で、労働力やコストではなく「投資」という観点でとらえられ、人材育成の考え方も見直されてきました。そこでは、育成の仕方が、技術やスキルを上から下へ伝える、または画一的に外部研修に出すというやり方で行われてきました。また、指示系統も上から下へという上下関係の中で行われています。これらは、与えられる、上から降りてくるものを受けるという企業主導の関係です。安定していこれらは、与えられる、上から降りてくるものを受けるという企業主導の関係です。安定していた時代はこれでよかったのですが、不確実な今、従業員も生き残りをかけ、自律的なキャリア構た時代はこれでよかったのですが、不確実な時代といわれる今では、従業員も生き残りをかけ、築を図ろうとしています。企業側も「新しい創造・発想力」、「自ら挑戦・行動する力」、「課題対自律的なキャリア構築を図ろうとしています。企業側も「新しい創造・発想力」、「自ら挑戦・行応力」を持つ自立型・自律型人材(以下「自律型人材*」とします。)を求めるようになりました。動する力」、「課題対応力」を持つ自立型・自律型人材(以下「自律型人材*」とします。)を求いわゆるイノベーションを起こす人材ですが、こうした人材に対しては、これまでと異なる新しめるようになりました。いわゆるイノベーションを起こす人材ですが、こうした人材に対しては、い関係性が必要になります。これまでと異なる新しい関係性が必要になります。自律型人材は、自らを成長させ企業に貢献しようとします。したがって、これまでの一方的な企業主導型ではなく、貢献してもらうために企業もその成長支援や活躍できる機会の提供をするという、双方向の関係性になることです。これは、単なる人材資源として育成するのみではなく、「ヒューマンリレーションシップ」という関係性を構築することが必要だということです。* 「自律型人材」は、経済的にも技能的にも自立(独りでできる)しており、自らの価値観や信念をもって判断・「VUCAの時代」とは?VUCA(ブーカ):Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとった造語です。もとは、1990年代後半にアメリカで軍事用語として使われ始めました。そして、2016年の「ダボス会議」で、「VUCAワールド」という言葉が使われ、ビジネスのシーンでも頻繁に使われるようになりました。こうした4つの要因で社会経済を取り巻く環境が複雑化し、また次々と予想しない事象が起こるという環境の激しい変化に、これまでの経験などでは対応できない状況に直面しているのが今の時代です。日本においても、経済産業省や文部科学省、内閣府から様々な提言等がなされています。このVUCAの時代に、企業や組織もどうあるべきなのか、その継続的発展のために、人材マネジメントの刷新とその取り組みを改めて一度考えられることをお勧めします。見直すことをお勧めします。人的

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