令和5年度 人財マネジメントハンドブック
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レベル4 生成的な対話レベル1 儀礼的な会話レベル3 内省的な対話レベル2 討論14やりとり:未来への研究、ゆっくり話し方:新しい洞察やアイデアが語られる    (生成される)聴き方:全体から聴く、境界がない意味づけ:変化、新たな意味の生成やりとり:見せかけ、丁寧で慎重話し方:特定の人が話す      本音は語られない聴き方:ダウンローディング      反応しないこともある意味づけ:既存の意味づけで固定図表2-2 会話→討論→対話へ(アダム・カヘン氏のモデルを参考に著者作成)やりとり:お互いについての研究話し方:内省的に話す聴き方:相手の話を共感的に聴く      自分の内側の声を聴く      相手は“唯一無二”の存在意味づけ:対話を通して変化やりとり:ディベート、衝突話し方:率直に語る      自分の見方から主張する 聴き方:外側から聞く      判断するために聞く意味づけ:既存の意味づけで固定豆知識心理的安全性この概念を最初に提唱したのは、ハーバード大学で組織行動学を研究するエイミー・エドモンソン。心理的安全性の定義は、「チームにおいて、他のメンバーが自分が発言することを恥じたり、拒絶したり、罰をあたえるようなことをしないという確信をもっている状態であり、チームは対人リスクをとるのに安全な場所であるとの信念がメンバー間で共有された状態」と述べている。「心理的安全性」が高いチームの特徴は、離職率が低く、他のメンバーのアイデアをうまく活用でき、収益性の高い仕事を行い、効果的に働くと評価されることが多い。(3)関係性の質の向上しかし、「ヒューマンリレーションシップ」は、単にその関係性を構築するというだけではありません。その関係性の質を上げることが重要なのです。そして、関係性の質は、相互の『対話』が十分になされなければ向上しません。それは「職場はどんなことも話せる場」であり、話したことは否定されず受け入れられる「安心・安全の場」であることが前提になります。最近いわれる『心理的安全性』(「Psychological safety」という英語の和訳)が確保された状態のことです。これにより、人は十分な能力を発揮することができ、また従業員相互の協力関係が築かれるため、生産性の向上も期待できます。また、十分な『対話』とは、日常の会話や意見交換というレベルのものではありません。(☞図表 2-2参照)■双方向コミュニケーションの4つのレベルこのモデルでは、はじめて集まったときの話し合いが①「儀礼的な会話」の段階から始まり、その後、②「討論」、③「内省的な対話」、④「生成的な対話」の順で高いレベルに移行していくことを想定しています。

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