令和5年度 人財マネジメントハンドブック
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2想15(1)経営理念と経営ビジョン厳しい経営環境の中にあっても勢いのある企業を見てみると、経営トップの熱い思い、「経営理念」を明確に示し、従業員の共感を得ていることがわかります。「経営理念」に共感した人材は、自社にも自分の仕事にも誇りを持ち、主体的に行動しています。また、共感した人材の集まりは、一体となって目標に向かい結果を出しています。「経営理念」は、企業活動の根底となる考え方・価値観であり、すべての行動や意識の拠りどころになるものです。これがなければ、人をひとつの方向に向かわせることができません。したがっろになるものです。これがなければ、多くの人をひとつの方向に向かわせることができません。て、このような厳しい状況下にこそ、経営トップが何より先にすべきことは、経営理念を明確にしたがって、このような厳しい状況下にこそ、経営トップが何より先にすべきことは、経営理念示し、共感を得て浸透させることだと考えます。を明確に示し、共感を得て浸透させることだと考えます。さらに、経営ビジョンは、将来のありたい姿・企業の方向性を表現したものですが、経営トップは、その共有と実現を目指し、旗振り役となって組織風土・文化の変革を率先して進めることが重要です。(2)経営戦略と人材マネジメント経営環境の変化に伴い、経営戦略の変更も余儀なくされています。経営戦略は、経営理念やビジョンを実現させるための方針ですが、いうまでもなく、経営戦略に基づいて行動するのは、競争力の源泉である「人材」です。またその「人材」はどうあるべきか、どのような行動をとってもらいたいのかという基本は、「経またその「人材」はどうあるべきか、どのような行動をとってもらいたいのかという基本は、「経営理念」に基づいて明確にされます。そして、自社の人材マネジメントを構築していく上で重要営理念」に基づいて明確にされます。そして、人材マネジメントを構築していく上で重要なことなのが、「人材が、経営戦略を実行し実現させるために欠かすことのできない要素である」といは、人材が「経営戦略を実行し実現させるために欠かすことができない要素である」という点をうことを認識することです。認識することです。(3)人材マネジメントへの取り組みの罠人事に関して何か問題や課題を抱えているとき、通常、その起きている現象の真因を考えずに、人事制度改革や新たな制度設計を行うことを先に考えがちになります。しかし、改革や制度設計人事制度改革や新たな制度設計を行うことを先に考えがちです。しかし、改革や制度設計だけでは、「ヒューマンリレーションシップ」を持ちながら、人材を重要な資源として有用に活だけでは、人材を十分に活躍させることも、「ヒューマンリレーションシップ」を維持しな変革の時代においては、イノベーションを起こす人材が不可欠です。そして前述の通り、「ヒューマンリレーションシップ」を持ちながら、人材を重要な資源として有用に活躍させることによって企業のビジョンや目的を達成させること、これが人材マネジメントといえます。また、双方向の関係性においては、企業と個人が成長を高め合うことが重要です。そのための個人の自律的な成長支援や活躍できる機会の提供が必要ですが、一方で、個人のエンプロイアビリティ(個人の雇用され得る能力)が高まることで、他社に流出してしまうのではないかという懸念もあります。人材マネジメントを「企業がビジョンや目的を達成するために、個人(人材)の能力を引き出し、有効活用するための活動」と定義しましたが、これは、イノベーションを起こす人材が自社を選んでくれるよう、魅力的な会社になるための仕組みづくりを行うということも含まれます。魅力的な会社であれば、流出を防ぐことができます。また、これでこそ、自社らしい独自性のある人材マネジメントが構築できるといえます。また、これでこそ、自社らしい独自性のある人材マネジメントが構築できるといえます。企業企業人材マネジメントの取り組み方

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