令和5年度 人財マネジメントハンドブック
22/114

20図表2-8 本当の意味での「いい人」高い能力やスキルがあればそれでいいか知識・技能・技術資格・経験・実績価値観・志向心構え・考え方社会人基礎力・体力・健康状態スキルマインド基礎力(2)人材のミスマッチ募集をする際に「いい人」を獲得したいと一様にいわれますが、「いい人」とは、どんな人でしょうか。基本的には、2.人材マネジメントの取り組み方(4)取り組みのステップで明らかにした「求める人材像」です。(職種や配属先により、個別に必要なスキル等を決める必要はあります。)ただし、採用基準を決めるときには、留意すべきポイントがあります。「求める人材像」はかなりスペックの高い人材を設定していると思われます。そのような人材は、容易に確保し難いでしょう。ターゲットを絞るという点では、有効な方法に思われがちですが、実は採用決定しても辞退される率も高いのです。スペックの高い人材は、大企業からのオファーも受けやすいことが理由です。また、スペックの高い人材が、必ずしも自社で活躍してくれるとは限りません。能力はあるので仕事はできるかもしれませんが、それだけでよいのかを考える必要があります。また、母集団を形成するためにより多くの人が募集されるような採用戦略を立てることがありますが、それは「求める人材像(いい人)」以外の人材の応募者が増えるだけとなる可能性もあり、相反する戦略となります。では、どのような人材にターゲットを絞ればよいのでしょうか。そのポイントは、3つあります。どんな経営環境の中にあっても勢いのある企業では、企業理念に共感した人材が主体的に行動し、一体となっています。まずは、自社の理念等をしっかりと伝え、共感してくれた人に的を絞ります。最低限、これは採用できないという項目を設定しておきます。ミスマッチを回避することはなかなか難しいことですが、最低限の基準を設けておくことでリスクを下げることができます。①自社の理念に共感してくれる人を集めること② 自社で評価の高い人を分析し、その人たちの持っている資質・特性のうち、入社当時に持っていた能力を採用基準とすること評価の高い人が今持っている資質・特性ではありません。最初から「求める人材像」の確保を目指すのではなく、入社後に資質・特性を伸ばして「求める人材像」に育てていくのです。③採用できない基準を設定するに応募

元のページ  ../index.html#22

このブックを見る