令和5年度 人財マネジメントハンドブック
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31■組織が持続的に成長し続けるためには「関係性の質向上」が重要図表2-17 ダニエル・キム 成功の循環モデル思考の質成功の循環モデル(グッド・サイクル)関係の質結果の質行動の質業績も上がるという結果も出ています。また、コミュニケーションが図られる職場では、従業員同士が「学び合う」ことが多く、相互に成長する関係になっています。コミュニケーションとは、1.これからの人材マネジメント(3)関係性の質の向上 で紹介した図、「双方向コミュニケーションの4つのレベル」P.14「双方コミュニケーションの4つのレベル」(☞P.12 図表2-2)にあるとおり、単なる会話ではありません。対話をもって少なくとも内省的に話ができるレベルが求められます。それによって、関係性の質が上がれば、成果を上げるまでのサイクルが回ります。言い換えれば、組織の成果を高めるためには、コミュニケーションを改善することが大切であるということです。ダニエル・キムの成功循環モデルでは、『組織としての結果の質を高めるためには、まず「関係性の質」を高めるべきである』と提唱していますが、「関係性の質」を高めるには、まさしく円滑なコミュニケーションを図ることが必要です。②安心・安全の場(心理的安全性)こちらも、1.これからの人材マネジメント(3)関係性の質の向上 でも伝えましたが、「職場はどんなことも話せる場」であり、話したことは否定されず受け入れられる安心・安全の場であることが必要です。例えば、部下が何か相談をしたい、わからないことを聞きたいと思っても、上司が忙しそうにして話を受け付けてくれなさそうだとしたらどうでしょうか。いずれ、この職場を去ってしまいます。したがって、上司こそ余裕をもって仕事をすること、部下を受容することが求められます。①関係の質:対話、お互いを尊重  相互理解を深め、お互いを尊重し一緒に考える②思考の質:気づき、良いアイディア  自分で気づき、面白いと感じるようになる③行動の質:新たな挑戦、助け合い  自分で考え、自発的に行動する④結果の質:成果の実感  成果が得られる①関係の質:信頼関係が高まる

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