42豆知識(8) 賃金支払いの法律労働基準法では、賃金を支払ううえで労働者保護の観点から、一定のルールを定めています。①通貨払いの原則賃金は、法令又は労働協約で別に定めがある場合を除き、通貨で支払わなければなりません。口座振込みによって賃金を支払う場合には、一定の要件(労働者の同意を得ること、労働者の指定する本人名義の口座に振り込むこと、賃金の全額が所定の支払日の午前10時頃までには引き出せること等)を満たしていなければなりません。②直接払いの原則賃金は、労働者本人に支払わなければなりません。労働者が未成年者の場合も、親や後見人に支払ったり、代理人に支払うことはできません。③全額払いの原則賃金から、所得税や社会保険料など、法令で定められているもの以外を控除する場合には、労働者の過半数で組織する労働組合か、それがない場合は労働者の過半数を代表する者との間に、労使協定を結んでおくことが必要です。④毎月1回以上払いの原則賞与などの臨時的に支払われるものを除き、賃金は毎月1回以上、支払わなければなりません。⑤一定期日払いの原則賞与などの臨時的に支払われるものを除き、賃金は期日を決めて支払わなければなりません。○賃金のデジタル払い導入の流れ令和5年4月~ 資金移動者が厚生労働省に指定申請、厚生労働省で審査大臣指定後~ 各事業場で労使協定を締結労使協定締結後~ 従業員に説明し、従業員が同意した場合には賃金のデジタル払いが可能注意点⃝ デジタル払いを導入するには、まずは、使用者と従業員側で労使協定を締結することが必要です。⃝現金化できないポイントや仮想通貨での賃金支払いは認められません。⃝使用者は希望しない従業員に賃金のデジタル払いを強要してはいけません。⃝賃金の一部をデジタル払いで受取り、その他は銀行口座などで受取ることも可能です。なお、最低賃金は毎月支払われる賃金から、臨時に支払われる賃金(結婚手当など)、1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)、時間外勤務手当、休日勤務手当、深夜勤務手当、皆勤手当、通勤手当、家族手当を除外したものが対象になります。令和5年4月1日より賃金のデジタル払いが可能になりましたキャッシュレス決済の普及や送金手段の多様化のニーズに対応するため、従業員が同意した場合には、一部の資金移動業者*の口座への賃金支払いも認められることになりました。*厚生労働省が指定した資金移動業者(●●Payなど)のみです。
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