60(3)戦略マインドと業務遂行におけるオーバーアチーブ※オーバーアチーブとは、仕事をやり遂げる力が十分なレベルをA(アチーブAchieve)のゾーンとすると、そこから先の期待を超える結果を出すことのできるレベル:OA(オーバーアチーブ:Over Achieve)を意味します。ここでオーバーアチーブを取り上げる意味は、「仕事をやらされる組織」から「成果を請け負い、自ら目標を設定し、さらにそれを超えていく組織」が今日的に求められるからです。完遂力(業務遂行・実践力)を発揮するところから、人を育て期待値を超えさせる力へと一段上のステップアップを目指すことが重要です。チームとして活動した結果、予想を上回る成果を達成できたとしても、それだけで組織としての競争に勝つことはできません。現代の競争は1回限りではなく、かつ勝ちパターンは一様ではなく、次々と競争相手が現れることから継続的な取り組みが求められます。さらにここで重要なことは、成果という現象より、その背景にある活動を通して発見した事実やノウハウ・教訓の量と伝承内容で、このことが将来の競争に打ち勝つための要素となるものです。と共有する「場」を通して組織と戦略がともに進化していく適応力外部環境の変化を読み込み、限られた経営資源の配分を行うとともに、実行段階で市場・顧客の潜在的ニーズの掘り起こしを継続的に進めることで戦略の実効性を高めるものです。イ.「業務遂行・実践力」…最後までアウトソーシングできない卓越した現場の実践力経営の実行責任者といえるリーダーは、策定したビジョンや戦略を個々の具体的な戦術・行動に落とし込み、迅速に実行に移し結果につなげる、また、日々の業務の反復の中から、感知・発見①企業間における「組織力の差」企業の組織力に差がでる理由は何でしょうか。「組織力」も企業の業績と同様にさまざまな要素が絡んでいるため、一つの側面からだけ考えることは難しいと判断されます。組織構造や組織風土・文化はもちろんのこと、企業理念、賃金・評価・目標管理制度等も「組織力」に影響を与えるものとなります。「組織力」にとって最も重要な要素は、組織を構成する従業員一人ひとりの小さな行動様式の違いにあると考えます。全体にとっては小さく見える個々人のレベルでの差異が、組織全体で総和として積み上がっていくことにより、根源的な「組織力の差」となって生まれてくるものとなります。そのため、「組織力」を高めるためには、自分達の行動様式を変革し、結果を出して、組織全体に自ら影響を広げていくことが重要です。一方、企業の存在理由が、「社会に対してモノやサービスの付加価値をもたらし、確実に利益を上げ、存続していくこと」とすると、組織を構成する要素もこの企業の存在理由を支えるものとなります。したがってここでは、「組織力」を「組織が自らを変革し、結果を出していく力」と定義します。②戦略策定・推進力と業務遂行・実践力前述した「組織力」について、ここでは 「組織力」=「戦略策定・推進力」×「業務遂行・実践力」として捉え解説します。ア .「戦略策定・推進力」…時代、環境に対応した新たなビジネスモデルを構築し、市場・顧客
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