令和5年度 人財マネジメントハンドブック
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84 交替制勤務や季節等によって業務に繁閑の差がある場合*参考文献 「ワーク・シフト」より編集協定した労働時間の範囲内で始業・終業時刻を労働者に委ねる場合研究開発、システムの設計、クリエーター、編集者等を対象とし、厚生労働省が特定する19業務企画・調査及び分析の業務に従事する職務を対象とし、個別に本人同意を得た場合一定時間を平均して法定労働時間の範囲内であれば、1日8時間、週40時間(業種等により週44時間の事業所もあり)を超えて労働させることができる。一定期間の総労働時間を労使協定で定めれば、始業・終業時刻を労働者の自由にできる。所定労働時間又は労使協定で定めた時間を労働したものとみなす。労使協定で定めた時間を労働したものとみなす。労使委員会で決議した時間を労働したものとみなす。変形労働時間制フレックス労働時間制事業場外みなし制専門業務型裁量労働制企画業務型裁量労働制*参考文献 「働き方改革の基本」より編集図表4ー28 未来を形づくる5つの要因と働き方の3つのシフト図表4ー29 柔軟な労働時間制度の概要(2) 「働き方改革」の現状認識と課題「働き方改革」への社会的関心が高まり、企業による「働き方改革」の取り組みも進展しつつあ5ります。「働き方改革」には長時間労働の解消等も含まれますが、「残業依存体質の解消」のみがその目的ではありません。これまでの多くの日本企業のOJTは、ある程度の長時間労働を前提としており、単純に労働時間の削減が進むと従来の人材育成が機能しなくなる懸念があります。労働時間が短くなると、浮いた時間をどこに振り向けるかは個人に委ねられることになり、仕事以外の場において、自己投資する人材としない人材の能力格差が拡大するからです。「働き方改革」において重要なことは、“多様で柔軟な働き方の実現と一人ひとりが高い時間意識を持つことで生産性の向上を図る”ことにあります。さらに、多様な働き方(柔軟な働き方としてのテレワーク等)や多様な従業員をマネジメント(ダイバーシティ経営)できるよう、経営者はもとより管理職の職場マネジメントを改革することにあります。ここでは、柔軟な働き方への対応として、時間管理の制度について記載します。経営者・管理職の職場マネジメントについては、次項(3)ダイバーシティ経営以降で解説します。「働き方改革」、「ダイバーシティ経営の推進」が本格化し、企業の人材活用のあり方が大きく変わり始めています。企業における施策やマネジメントのみならず、従業員個人の働き方やキャリアのあり方においても対応が迫られています。ここでは、「働き方の未来」、「働き方改革(2019年施行)」、「ダイバーシティ経営」について、企業としての受け止め方、対応について解説します。(1) 働き方の未来リンダ・グラットンの経営組織論 「ワーク・シフト」(2011年)によれば、「働き方の未来」について、その要因と「働き方(シフト)」について、以下の仮説を提示しています。世界の潮流を知る上で、参考になるものです。【未来を形づくる5つの要因】要因1:テクノロジーの進化要因2:グローバル化の進展要因3:人口構成の変化と長寿化要因4: 社会の変化要因5:エネルギー・環境問題の深刻化【働き方の3つのシフト】第1のシフト:ゼネラリストから「連続スペシャリスト」へ 専門技能の連続的習得  事業場の外で労働する外回りの営 セルフマーケティング業職等を対象とし、労働時間を算第2のシフト:孤独な競争から「協力して起こすイノベーション」へ定し難いとき 未来に必要となる3種類の人的ネットワーク ◆頼りになる同志   ◆大きなアイデアの源 ◆支えと安らぎの人間関係第3のシフト:大量消費から「情熱を傾けられる経験」へ 消費より経験に価値を置く生き方へ 自分で自分の未来を築く主要な人事・組織施策とトレンド

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