28の効果は十分でないとする企業も多いのが実態です。その第一の要因として、計画的に行われていないことがあげられます。十分な効果を出すためには、OJTもOFF-JTも人事基本方針のもと策定される教育訓練体系図と教育訓練カリキュラムに沿って計画的に行うことが重要です。①キャリア自律の促進と育成キャリア自律とは、個人が自らのキャリアに価値を見出し、主体的・自律的にキャリアを開発することをいいます。終身雇用や年功序列が崩壊し、社会も不確実な時代において、個人も自律的にキャリア形成を図ろうという意識になっています。そして、企業には、そのキャリア形成の支援をすることが求められています。一方で、人材は企業の大切な資本として育てることも引き続き必要です。ただし、人を育てるには時間がかかります。人材の育成は長期的に計画的に行うことですが、確実に目標に到達できるよう、個人の資質に任せきりにせず、企業も確実な支援をしながらともに成長できる関係を維持することです。また、個人によってレベルが異なるので、個人がどこを目指しているのか、どう成長していきたいのかをしっかりとヒアリングする必要があります。その上で、企業の求める人材像と重ねるようにしなければなりません。キャリアマップとは、企業の求める人材像や教育方針に従い、自社において人材が向かうべき将来像を段階的に描いたものです。企業に働いている限り、自分がどこに向かっていくのか、それを段階的に示したもので、目標を設定するためのツールとなるものです。個人が描く将来のキャリアに向けて支援するために整備するものであり、個人の自己実現が容易となる道筋を示したものといえます。個人はこれに基づき自分のキャリアを描きます。会社が取り組む教育訓練を網羅した図が教育訓練体系図となり、以下4つをまとめます。ア.何のために(到達目標)イ.誰に対して(対象者)ウ.何を(教育訓練名)エ.どのように(方法)②キャリアマップ③教育訓練体系図・教育訓練計画・教育訓練カリキュラム
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