令和6年度 人財マネジメントハンドブック
53/100

pter pter pter Chapter Cha21234ChaCha巻末付録51経営者の経営の悩みは、多くの場合、「ヒト」の行動・活動を改善することによって解決されます。なぜなら、モノ、カネ、情報などの経営資源は「ヒト」の行動なくしては活用できないからです。その「ヒト」の集まりが「組織」であり、その組織力を強化・向上させることが、企業の存続のための必須要件となります。そこで、経営者は組織力の強化・向上の実現のため組織を活性化することに注力します。組織を活性化するには人に働きかける要件が必要です。その働きかけるべき要件とは、「共通目的」と「コミュニケーション」、「モチベーション(動機づけ、貢献意欲)」です。ここでは、3要件を中心に組織の在り方、活性化方法を解説し人材育成につなぐ方法を記述していきます。「集団」とは、単なる「人の集まり」ということです。対して「組織」とは、それに加え、共通目的(=理念・方向性・ビジョンなど)を持ち、コミュニケーションを通じてその目的を達成しようとする人の集まりのことです。したがって、経営者が最初に取り組むことは、この共通目的をつくることです。改めて、組織とは、コミュニケーションを通じて、共通の目的を達成しようとする集団です。(*P.52 図表3-2参照)組織を構成する要素は人間そのものではなく、人間が提供する活動や力であり、共通目的を達成するにはその誘因力が必要です。その誘因となるものが、モチベーションです。モチベーションとは貢献し達成したい気持ちが強く出ている状態で、前に進む原動力となります。組織を活性化させるためには、共通目的に向かって組織内で活発なコミュニケーションが行われることにより、モチベーションが高まることが必要です。誰でも目的が明確でなければ、どうしていけばよいのか、何をすればよいのかはわかりません。コミュニケーションが図られなければ、従業員が同じ方向を向き、同じ目的を達成することは困難です。モチベーションがなければ、コミュニケーションや達成への行動は遅々として進まず、目的は達成されないでしょう。経営者・管理職の役割はこの3つの要素を適切に機能させ、「全社一丸」を実現することです。(1)組織構築と組織力の強化に向けて(2)組織と集団(3)組織とは(4)経営者・管理職の役割組織成立のための 3 つの要素

元のページ  ../index.html#53

このブックを見る