pter pter pter Chapter ChaCha1234Cha巻末付録61時には、「強いものが生き残るのではなく、変化に適応できたものが生き残る」という進化論的な法則が働き、変化に適応することが最大の課題となります。ここでは、自社での組織マネジメントの再構築・運用を図る上でキーとなる以下の4つの観点について、過去の実務・試行例から解説します。参考文献:『改訂 チームビルディングの技術』 経団連出版より編集従来の日本のチームワークの良さ・特長は、仲良く物事を進めることに重点があり、対立を避けようとする傾向が強いこと、自分の意見・主張を上手に説明することに慣れていないことから、新しい仕組みをつくり出すことに不向きな傾向があります。また、働き方として「密度が薄く、仲良く、長く」働くことで、アウトプットを出してきました。今求められていることは、単位時間当たりのアウトプットを高め、生産性を向上させ(密度を濃く)、“仲良く”の部分も工夫しなければ、「働き方改革」とはなりません。ここで言う“チーム”とは、一人ではできない複雑な問題を解決するために、各方面の関係者を集め、期間を定めて解決策を考える組織を意味します。この場合参画したメンバーの力を足した以上の成果(相乗効果:シナジー)を出すことが重要であることは言うまでもありません。チームワークとは、ただ単にお互いの不足を補い、助け合うというだけではありません。どう自分の役割を果たすか、どんな場合に自分の役割の境界線を越えて対応しなければいけないかについての「共通認識」のことで、これに加えて他のメンバーの役割や仕事の価値を評価し、認める姿勢のこととなります。したがって、異質なものが混ざり合って良き化学反応につなげるためには、まず「自分の意見をはっきり述べ、相手の意見を傾聴し、相手の意見に触発された新しい自分の意見・アイデア・構想をつくる」ことが求められます。具体的には参画するメンバーが仕事をするプロセスで、以下のサイクルを繰り返すことが重要となります。ここで言う“学習”とは、「刺激に反応して行動様式が変化すること」です。チーム活動という刺激の結果、例えば納期遅延の原因がわかり、その後作業プロセスが変更され、実行に移され、チーム内外の行動様式が変われば、“学習”が起こったことになります。チームとして活動した結果、予想を上回る成果を達成できたとしても、それだけで組織としての競争に勝つことはできません。現代の競争は1回限りではなく、かつ勝ちパターンは一様ではなく、次々と競争相手が現れることから継続的な取組が求められます。さらにここで重要なことは、成果という現象より、その背景にある活動を通して発見した事実やノウハウ・教訓の量と伝承内容で、このことが将来の競争に打ち勝つための要素となるものです。(2)チームビルディングにおける組織・集団の力学の理解①伝統的組織の特長②チームワークは活動のプロセスでつくられるア. 他のメンバーの専門性・独自性に気づいて、互いに相手の意見に一目置くようになるイ.ディスカッションの結果、良いアイデア、構想が生まれるウ.共通の目標に対して前進したと実感できる「自身の小さな成功体験」を得る機会となるエ.チームの進む方向に自信を深め、さらなるチャレンジを目指す③“学習”がなければチームとしての意味がない
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