令和6年度 人財マネジメントハンドブック
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pter pter pter Chapter ChaCha1234Cha巻末付録63参考文献:『組織力を高める 最強の組織をどうつくるか』東洋経済新報社より編集②戦略策定・推進力と業務遂行・実践力ア.「戦略策定・推進力」……時代、環境に対応した新たなビジネスモデルを構築し、市場・③戦略マインド、オーバーアチーブについてここで「オーバーアチーブ」を取り上げる意味は、「仕事をやらされる組織」から「成果を請け負い、自ら目標を設定し、さらにそれを超えていく組織」が今日的に求められるからです。完遂力(業務遂行・実践力)を発揮するところから、人を育て期待値を超えさせる力へと一段上のステップアップを目指すことが重要です。①企業間における「組織力の差」企業の組織力に差が出る理由は何でしょうか。「組織力」も企業の業績と同様にさまざまな要素が絡んでいるため、一つの側面からだけ考えることは難しいと判断されます。組織構造や組織風土・文化はもちろんのこと、企業理念、賃金・評価・目標管理制度なども「組織力」に影響を与えるものとなります。「組織力」にとって最も重要な要素は、組織を構成する従業員一人ひとりの小さな行動様式の違いにあると考えます。全体にとっては小さく見える個々人のレベルでの差異が、組織全体で総和として積み上がっていくことにより、根源的な「組織力の差」となって生まれてくるものとなります。そのため、「組織力」を高めるためには、自分達の行動様式を変革し、結果を出して、組織全体に自ら影響を広げていくことが重要です。一方、企業の存在理由が、「社会に対してモノやサービスの付加価値をもたらし、確実に利益を上げ、存続していくこと」とすると、組織を構成する要素もこの企業の存在理由を支えるものとなります。したがってここでは、「組織力」を「組織が自らを変革し、結果を出していく力」と定義します。前述した「組織力」について、ここでは 「組織力」=「戦略策定・推進力」×「業務遂行・実践力」として捉え解説します。顧客と共有する「場」を通して組織と戦略がともに進化していく適応力外部環境の変化を読み込み、限られた経営資源の配分を行うとともに、実行段階で市場・顧客の潜在的ニーズの掘り起こしを継続的に進めることで戦略の実効性を高めるものです。イ.「業務遂行・実践力」……最後までアウトソーシングできない卓越した現場の実践力経営の実行責任者といえるリーダーは、策定したビジョンや戦略を個々の具体的な戦術・行動に落とし込み、迅速に実行に移し結果につなげる、また、日々の業務の反復の中から、感知・発見される問題や改善のアイデアをフィードバックし、戦略に反映していく、そういったことは、その組織や現場に染みついたDNAそのもの、自社のノウハウであり、アウトソーシングの対象にはなりません。簡単に表現すれば、「物事を着実に実行していく力」でありますが、第1段階は、「確実に業務をやり遂げ改善・完遂していく段階」、さらに第2段階は、「第1段階にとどまらず、継続的に結果を出し続けていくこと、同時にこのプロセスの中で人材育成が進み“期待を超える”動きになる」ことが重要です。ここでは戦略策定の根底にある戦略マインドと一方の構成要素である業務遂行・実践力におけるオーバーアチーブ(期待を超える結果を出すこと)について解説します。

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