成果事例(1) アオキ住宅機材販売株式会社
開発の経緯
工場のような大規模な空間では、空調に莫大なエネルギーを必要とする。
そのため、十分な対策が行われず、昨今の猛暑により熱中症対策の観点からも、温熱環境に対する改善が求められている。
当開発は、冷水を活用して冷房を行うものである。地下水を直接利用することによって冷房を行うことが可能であれば、開発をとおして環境問題解決への貢献が可能であるとの考えに至った。
開発の特徴
地下水の温度は、15℃~17℃といわれている。標準新有効温度SET*32℃の基準でも、一般的な対流式空調では、地下水の冷水温度で冷却効果を得ることが難しい。冷房効果を大きくするため大風量にすると、送風ファンの負荷が大きくなり効率が悪くなる。
当開発では、放射による冷却面積を増やすことで、地下水相当の比較的高温の冷水でも室内空間を均一に冷却することが可能となった。
今後の展開
暑熱対策で困っている競走馬用馬房に試験的に設置したところ、安全面も含め非常に適しており、茨城県美浦トレーニングセンターの厩舎2馬房に今シーズン設置する。また、宮崎県畜産試験場では、猛暑の影響で受精率が下がるため黒毛和牛の牛舎冷房用として令和3年3月に設置した。
また、冷風が身体に当たらず、冷え過ぎないので、トンネルの中にいるような快適な空間になるため、長時間滞在する図書館やコーヒーショップ、既述した畜産関係や工場、体育館などの大規模な施設に展開していきたい。
お客様の声
猛暑の中、どれくらい冷却できるか不安だったがこのシステムだけで快適に過ごせた(有名な建築家)との声もいただいた。
助成事業を活用することでよい結果が出たため、大阪府に新築される工場に採用が決定した。
また、消費電力が一般的な対流式空調と比べ大幅に削減でき、2050年の脱炭素社会に向け、環境問題に間違いなく貢献できる自信がついた。
表彰・実績等
平成30年 平成30年度八王子市中小企業新商品開発認定
令和2年 第13回多摩ブルー・グリーン賞 多摩みらい賞受賞