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成果事例(3) 関西電子株式会社

採択年度:平成27年度  ホームページ公開日:令和3年3月29日
テーマ:ナノファイバー加工装置及び再生装置の開発

開発の経緯

 新素材「ナノファイバー」活用の用途は幅広い。環境・医療・バイオ・アパレル・アグリ等の様々なニーズに応じた加工が求められている。特に、環境保全の観点から、都市河川の水質汚濁防止、重油流出等による海洋汚染の拡大防止対策が叫ばれている。
 当開発は、ナノファイバーの吸油性能を利用したシート状油吸着材加工装置の開発、及び、回収した吸着材から搾油した油、及び、油を吸着した吸着材の再生装置を開発するに至った。

開発の特徴

 当開発は、ナノファイバー溶融装置に加え、シート加工装置及び脱油装置の開発である。
ナノファイバー溶融装置とシート加工装置は、溶融・加工それぞれの用途・顧客のニーズに対し柔軟に対応できる。
 再生装置は、油を吸着したナノファイバーを回収、油、ナノファイバー吸着材のいずれも再利用を可能にする装置である。多岐にわたるニーズに対応するため、電力の乏しい地域、作業現場でも使用できるよう手動式とした。(電動化も可)。当装置は、国交省NETIS規格に適合した製品の製造が可能である。
2020年12月23日に製造方法に関して、特許登録済みである。(特許第6814469号)

今後の展開

 販売開始にあたり、ナノファイバー溶融装置とシート加工装置は“ナノファイバーシート化装置”、再生装置は“脱油装置”と改称、販売を開始。既にナノファイバーシート化装置は2台の販売実績を得た。
 一方、東京都中小企業振興公社の「平成27年度 試作品等顧客ニーズ評価・改良支援助成事業」も活用。生産スピードを改良した量産型ナノファイバー溶融紡糸装置が完成。ナノファイバーが大量生産できるようになった。ナノファイバーシート化装置でシート化、脱油装置で油を吸着したナノファイバーから搾油してそれぞれを再利用するエコサイクルビジネスを実現可能にした。今後、日本国内のみならず環境問題がより深刻な国外へも積極的にビジネス展開をしていく予定である。

お客様の声

エコロジー、SDGsを見据えた分野での製品開発は、今後避けて通れない。
中小企業にとって大きな市場でもあるが、製品開発資金が一番のネックとなる。
ところが本事業を活用することで、資金援助のみならず、東京都中小企業振興公社から販路開拓等多方面の支援も得ることができ、大変感謝している。
今後、東京都におけるものづくり技術力の向上や、日本および世界への技術力アピールの発信に貢献できればと考えている。

表彰・実績等

第31回大田区中小企業 新製品・新技術コンクール おおたECO推進賞

企業情報

関西電子株式会社
 代表取締役:進士 国広
 住所:東京都大田区大森南四丁目6-15 テクノFRONT森ヶ崎208・509
 設立:昭和43年
 資本金:1,000万円
 従業員数:10名
 URL: https://www.kansaidenshi.co.jp/