成果事例(4) 株式会社Qoncept
採択年度:平成27年度 ホームページ公開日:令和3年3月29日開発の経緯
プロスポーツなどでドローンやロボカメラによる撮影では、熟練した操作技術が必要になり、予算の大きな大会でしかコストが見合わないのが現状であった。
低コストで自動撮影できる技術があれば、より迫力のある映像を何視点も同時に撮影でき、より臨場感のある映像を撮影できるようになる。
また低コスト化によってアマチュアでも気軽にプロのような映像を撮れないかとの思いもあり、画像処理をつかった低コストのハードウェアによって実現できる自動追尾撮影技術を開発しようと考えた。
開発の特徴
この技術の特徴は、安価なシングルボードコンピュータとカメラだけで設定したターゲットを自動追跡できる点である。ターゲットを自動で追跡しながら、ドローンの現在位置をリアルタイムに計算する自己位置推定機能も有し、衝突検知や環境マップの作成、環境マップ内の自動運転などに応用することができる。
今後の展開
本事業の成果は、本来、想定していたスポーツ、放送業界だけでなく、ドローンを利用したインフラ点検や、自動運搬車(AGV)の自動制御などへの応用など、産業系方面からの引き合いが多く、毎年年間5000万円弱の売り上げとなっている。今後はこの産業分野での自動追跡機能や自己位置計算などの個別のモジュールのライセンス提供をより増やしていく。また本技術をスマートフォンアプリに移植し、より気軽に利用できるアマチュアスポーツ撮影のための自動撮影にも応用したいと考えている。
お客様の声
・スポーツ中継における人物追跡を、従来はカメラマンが手動で行っていたのを、カメラだけで自動で実現でき、低予算でもカメラ台数を増やすことができる。
・自動運搬車の制御にこの自己位置推定モジュールを利用し、低コストでこれまで高価なLIDARによって実現していた機能と同じことができるようになった。
※ LiDAR(Light Detection and Ranging)とは、レーザーを走査しながら対象物に照射し、その散乱や反射光を観測することで、対象物の距離測定や性質特定をする光センサ技術