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平成26年度 東京都地域中小企業応援ファンド
モデル事業発表会開催報告

トークセッションから

伊藤 学 氏<高齢者の生命を守る帽子付ヘルメット>

伊藤 学 氏 
株式会社日本パレード 代表取締役

那須:株式会社日本パレードは「シルバー向け帽子装着式自転車ヘルメット」ということで本事業に採択されました。何か、開発のきっかけはあったのでしょうか。

伊藤:当社の主たる事業は、パレード、ステージ衣装全般の製造・販売です。今回は、帽子のデザイン性とヘルメットの安全性をひとつにまとめた商品を、東京しごと財団と共同で開発いたしました。
 高齢者は転倒した場合などの反応が少し遅くなってしまうため、手を出すタイミングが間に合わず、それで頭を打つことになるのです。したがって頭を守ることが命を守ることにつながります。しかし、「ヘルメットをかぶりましょう」と言ってもですね、当時は大人が気軽にかぶれるようなヘルメットはありませんでした。誰かが口火を切らなければならないので「私どもがやりましょうか」と申し出た次第です。

那須:パレード用品と高齢者っていうのが、なかなか結びつかない感じがいたしますが。

伊藤:マーチングバンドの衣装の一つとして軽量ヘルメットを作っておりましたし、帽子を縫う技術もありました。自分たちのような小さな会社は何でもやらなくてはなりません。私どもの帽子付ヘルメットには、何か特別な技術が使われているわけではなく、自分たちがこれまでやってきたことを応用して作ったものです。

那須:それでも新しい製品を作るのは、勇気がいるというか、一歩踏み出すのはけっこうたいへんだったのではないかと思いますけど、いかがですか。

伊藤:試作品を作ろうとすれとどうしても費用がかかってまいりますが、小さな会社は過小資本で、いわゆる底だまりの金がないのが常態です。この商品の開発も助成金がなければ成り立たなかったと思います。結果的には、「これまでなかった製品だ」とお褒めの言葉をいただきました。
 不慣れな新市場への販売も進めています。当社は、それまで一般の消費者を相手にする商品を出すことはありませんでした。個々の購買客が相手だと「隣と同じ帽子は嫌だ」というふうに言われます。ですから、デザインも毎年変えて、新製品を出していかなくてはなりません。

又丸:公社では、中小企業ニューマーケット開拓支援事業を行っています。BtoB(企業対企業)の取引について、企業OB60名が販路開拓支援をしていまして、これを活用して日本パレードも大手量販店への販売が決まりました。今までとまったく違うルートに販売を乗せることができたのです。

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<企業紹介>
株式会社日本パレード
事業所在地 :北区王子本町2-8-8
TEL : 03−3905−1277
URL : http://www.nippare.com/

応援ファンド事業テーマ:「シルバー向け帽子装着式自転車ヘルメット」
 自転車は元気なシニアの日常の足として定着しているが、都内の交通事故死者の約3割は自転車乗車中で、うち半数が頭部損傷によるものである。これはヘルメット着用により大幅に改善すると考えられる。一方、既存の自転車用ヘルメットは児童用かスポーツ向けに限られ、中高年層の着用を想定した製品はない。本助成事業で開発する帽子装着式自転車ヘルメット「カポル」は、ヘルメットを帽子状のカバーで覆うことで、自然なファッションとして中高年層にも抵抗なく利用でき、着用率向上に貢献するものである。本製品の事業化は、自転車の死傷事故を低減させることで、中高年層の安全且つ活動的な生活をサポートし、地域の活性化にも寄与するものである。

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