【Vol.15】2020/03/30 外国人材の活用で企業の人材不足を改善

  • 左から 株式会社MTT Japan 代表取締役 荻野 二郎氏
  •     ダイテック株式会社 代表取締役 黒澤 裕一氏
  •     世界発信プロジェクト事務局発注コーディネータ 朝比奈 信安氏
  •     ダイテック株式会社 総務部 山浦 智美氏
  •     株式会社MTT Japan 海外事業部 部長 渡瀬 葉月氏

ビジネスチャンス・ナビ2020(以下、チャンスナビ)に登録いただいている企業の中には、人手不足に悩まれている企業もあります。製品やサービスの案件のマッチングだけでなく、人材についての相談も可能です。今回は、人手不足対策として、外国人材の受け入れを希望している企業と人材派遣企業とのマッチングをご紹介します。

建設業で熱意と意欲を持って働く外国人材を採用

株式会社MTT Japan 代表取締役 荻野 二郎氏

発注者:ダイテック株式会社 代表取締役 黒澤 裕一氏(以下、黒澤) 弊社は、建築用金物製造および、総合建設業の2つの事業で、「聴く、練る、建てる。」を信条に人と建物の幸せな関係を築くため、日々取り組んでいます。建築用金物製造業では、自社工場でアルミ、鉄、ステンレスなどの板の曲げ加工を行います。製品は、1つ1つ現場の状況に応じた金属製品を製作するので、技術力が必要です。

受注者:株式会社MTT Japan 代表取締役 荻野 二郎氏(以下、荻野) 弊社は、外国人学校の運営や留学・就職支援などを行っているISIグローバル株式会社が、長年蓄積した国内外の教育ネットワークを生かし、外国人材の職業紹介を主事業に設立した企業です。2019年より施行された「特定技能外国人」の登録支援機関の認可を取得しています。これまでのノウハウを使って、ダイテック様の案件にお応えできると思いました。

黒澤 日本において、戦後、製造業は右肩上がりで成長してきましたが、労働力は右肩下がりです。製造業の成長と労働力減少の数値を折れ線グラフで表した際、ちょうど交わるのが今です。今後も、この差はどんどん広がっていくと思います。その時に、誰が働くのか、製品を作るのかと考えたときに、日本人だけにこだわらず、考え方を変えなければならないと思いました。外国の方でも、熱意と意欲を持って働きたいと思ってくれている人がいるのではないかと思ったのです。実は、今回のお話の前に別の方から外国人材の受け入れを打診されたことがありましたが、具体的な話が進まないままとなっていました。そのようなときに、以前から面識があり、信頼のおける発注コーディネータに相談したのです。弊社は建設業ですので、技術が必要になります。そこで、特定技能外国人の方の採用を考えました。

「特定技能」制度を活用してフィリピンから人材を受け入れ

ダイテック株式会社 代表取締役 黒澤 裕一氏

荻野 前提として、これまでは「技能実習」という在留資格の制度でした。現在、全国に約28万人(平成30年6月現在、出展:国土交通省「技能実習制度の現状」)の技能実習生が在留しています。技能実習制度とは、日本で培われた技能や技術または知識を修得し母国に持ち帰り、経済発展に生かす制度です。
政府は、日本の労働力不足を懸念して、2019年に外国人の受け入れ政策を変えました。「特定技能」という在留資格は、日常会話程度(日本語検定4級)の日本語ができ、業種ごとに決められた一定の技能を満たしており、認定されれば日本で最長5年働けるという資格です。
また、特定技能の人材を受け入れるには、おおむね登録支援機関という外国の人材派遣をサポートする機関を利用します。我々は、登録支援機関として、企業に向けた特定技能人材の紹介や、外国人材へのビザ申請、入国管理局への報告、外国人材のフォローなどを取り扱います。

黒澤 MTT Japan様からご紹介いただいたフィリピン出身の2人は、過去技能実習として九州で働いていたことがあるということでした。そこでは造船関係の溶接工をしていたようです。船の溶接は特殊で、高度な技術を要します。技術を修得するのに時間もかかりますし、それだけ努力をされたと思いますので、一級の方だと思います。
私は、日本人だから、外国人だからと線は引きません。技術を持っていて、仕事をきちんと行ってくれる方であれば、しっかりと評価して対価を払わなければならないと考えています。先代から大切にしていることですが、人が柱ですから、そうしなければ会社は伸びないと思っています。

荻野 弊社としても、フィリピンからの特定技能人材を支援するのは初めてのことです。日本の入国管理局の情報をタイムリーにキャッチしたり、フィリピンで手続きを行っている送り出し機関などと連絡を取りながら、サポートしています。
また、今回は、フィリピンの送り出し機関を通していますが、今後、より密に連携を図れるよう、弊社で現地に送り出し機関を作ろうと準備をしています。送り出し機関によっては、手数料や保証金などと称して、法外な金銭を請求する悪質なケースがあるからです。

受け入れ企業も人材も満足できるようサポート

黒澤 企業は、外国人材を採用するにあたって正しい情報を知る必要がありますが、MTT Japan様のような、熱意と技術がある人材をご紹介してくれる企業があることを知らない会社も多いと思います。我々も自分たちでそのような企業を探すことは難しかったので、チャンスナビを通じて、良い企業とマッチングできてよかったです。

荻野 弊社は、より有能な人、企業のニーズに応えられる人、真面目で一生懸命に仕事をする人を紹介していきたいと思っています。日本企業に対しては、紹介料やサポート料についても、できるだけコストを抑えた提案をしていきたいと思っています。特定技能の方は、おおよそ10〜20%は元技能実習生ですが、それ以外は初めて日本に来るという方ばかりです。そうした方たちが、日本に来てよかった、満足できていると感じてもらえるようにしっかりとサポートしていきます。

黒澤 生まれ育った国を離れて働きに来るということは、受け入れ側の当社以上に不安があると思います。スカイプで面接をした際には、日常会話は問題ないかと思いました。仕事上の細かいニュアンスなどは、身振り手振りを交えたら、ちゃんとコミュニケーショが取れるかなと思います。彼らは英語が話せるので、工場の人たちがいつ来るのかと楽しみにしています。春からの入社になるかと思いますが、職場に馴染んで、お互いに技術を共有しあえるようになることを望んでいます。
初めての外国人材の受け入れで、どこに相談したらよいのかもわかりませんでしたが、チャンスナビのおかげで、ご縁をいただけました。MTT Japan様に、在留中の申請などを一手に引き受けていただけるのが、何より心強く思っています。

企業名 ダイテック株式会社
業種 金属製品製造業、総合工事業
事業内容 建設 一般総合建設請負、新築・増築・改修その他、リフォーム工事など
建材 金属パネル製作・施工、手摺製作・施工(アルミ規格)(スチール)(ステンレス)など
広告 屋外広告物全般、店舗内外装・一般ディスプレイ、商業印刷全般
URL http://www.daitec-co.jp
企業名 株式会社MTT Japan
業種 その他サービス業
事業内容 人材マッチング、特定技能サポート業務
URL http://www.mtt-japan.co.jp/

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