【Vol.18】2021/03/29
飲食店とデザイン会社が手を組み挑んだ
コロナ禍での新商品開発

  • 味の嘉づき
  • 佐藤 信行(さとう のぶゆき)氏

今回の活用企業ご紹介では、コロナ禍で苦境に立つ北海道内の飲食店が、ビジネスチャンス・ナビ2020(以下、チャンスナビ)を活用してコロナ禍だからこそ挑戦した、新商品開発の取組を紹介します。
対面での商談が難しい中、オンラインでのビジネスマッチングをぜひ有効にご活用ください。

Q.それぞれの事業内容や沿革などを教えてください。

打ち合わせを重ねる佐藤氏とTAKAHASHI DESIGNの高橋 友明(たかはし ともあき)氏

A.(味の嘉づき 佐藤様) 高校卒業後、和食の世界に入り、20年ほど修行を積んで、2012年11月に「味の嘉づき」を創業しました。「かしこまらずに気軽に食べたい和食」を提供したいというコンセプトのもと、札幌駅から地下鉄で約10分の閑静な住宅街に店を構えました。

A.(TAKAHASHI DESIGN 高橋様) 私は、もともと楽器店に勤務しているときに、店内のPOP、チラシやフライヤーなどの広告のデザインを行っていたことがきっかけで、デザイン会社を創業しました。業務は、企業の紙媒体の広告や名刺などのデザインのほか、ノベルティグッズのデザインも行っています。
全国ネットワークサポーターの吉澤さんには、創業当時から様々な経営相談に乗ってもらっていました。

Q.清閑なロケーションで日本料理を提供する味の嘉づきですが、今回のコロナ禍ではどのような影響がありましたか?

A.(佐藤様) 札幌で新型コロナウィルスが騒がれ始めたのは、昨年のさっぽろ雪まつりのあたりだったと記憶しています。その後の緊急事態宣言や営業自粛要請などもあり、客足が一気に途絶えてしまいました。
それから1年経ち、現在までお客様が減少した状態が続いていますが、有難いことに開業以来からの常連のお客様に何度となくご来店いただき、支えていただいています。 こうした支えがあったからこそ、「コロナ禍なので、何もできない」と諦めるのではなく、「コロナ禍だからこそ、新しい何かができるはず」と前向きに考えることができました。特に全国ネットワークサポーターの吉澤さんには、たくさんの相談に乗っていただきました。

Q.そんな苦境に立ちつつも、今回、チャンスナビを活用して挑戦した、新たな取組について教えてください。

人気メニューの「鱈子味噌炙り」を贈答用として商品化

A.(佐藤様) お店でお出ししている「鱈子味噌炙り」という料理を、贈答用として商品化しました。
この料理は老若男女から人気があり、以前からホームページで通信販売してはいたのですが、中々軌道に乗っていませんでした。そんな中、お客様からいただいた「贈り物にしたい」という声をヒントに、贈答用としての本格的な商品開発に取り組むことにしたのです。
チャンスナビには、商品の高級感を演出する上でも重要となる、商品パッケージやギフト用ボックスの制作・デザインを発注案件として掲載しました。

A.(高橋様) 今回のお話は、吉澤さんからチャンスナビ掲載案件の案内を受けて受注しました。
冷凍商品の梱包に携わるのは初めての経験で、低温保存や解凍に耐えうる耐久性を持ちつつも、商品に高級感を与える素材を選定するのに、本当に苦戦しました。時間をかけて、冷凍と解凍を繰り返しテストして、ようやく素材が決まった時には、財産となるノウハウを得るとともに大きな達成感を感じました。

Q.今回の案件で、チャンスナビを利用していかがでしたか?

A.(佐藤様) チャンスナビは、以前より吉澤さんからお勧めされてはいましたが、正直言って、活用の仕方が見えていませんでした(笑)
ですが今回の取組で、「自ら持つノウハウ」「不足するノウハウ」などを整理したことで、「自分やこれまでの取引先では手に負えない部分」の解決に、ビジネスチャンス・ナビ2020を有効活用することができました。
発注案件を掲載した後も、「どのようなエントリーがあるか」「信頼できる人か」という不安がありましたが、吉澤さんの丁寧なフォローで安心して利用できました。

A.(高橋様) 味の嘉づき店主の佐藤さんのお人柄も魅力的な方と出会えたことも嬉しかったですし、料理についても「北海道から全国に発信するべき味」だと感じて、非常にやりがいをもって取り組むことができました。
このように全国ネットワークサポーターから確度の高い案件の紹介があるのは、とても有り難く、今後とも頼りにしています。

Q.開発した贈答用の「鱈子味噌炙り」の、今後の展望を教えてください。

A.(佐藤様) 駅やデパートなどの土産物店、道の駅などの小売店への販路開拓を行い、販売チャネルを拡大させていきたいと考えています。また、他の既存商品も同様に、贈答用商品として展開してセット売りするなど、商品の幅も広げていく予定です。

Q.今後の事業運営や、将来像についてもお聞かせください。また、その中でチャンスナビをどのように活用していきますか?

A.(佐藤様) コロナ禍が落ち着けば、人の流れや社会全体の動きが戻ってくるはずで、そのときは積極的な店舗展開や外販商品の開発などに力を入れていきたいと考えています。
また、コロナ禍においても、「コロナ禍だからできない」ではなく、「できることは何か」を考えていきたいと思っています。同業の料理店や小売店と協働したり、若手の育成など、人と人が結びついてできることがたくさんありますし、さまざまなアプローチを考えています。
そのために、全国ネットワークサポーターに多くの相談を行うこともあろうかと思いますし、さまざまな企業と連携した商品開発や販路開拓などで、チャンスナビを活用していきたいと考えています。

A.(高橋様) コロナ禍では、直接人と接触する機会を減らすために、オンラインを活用したコミュニケーションが進んでいますし、今後はそれが当たり前になっていくのだと思います。そうした中だからこそ、全国ネットワークサポーターの支援も受けながら、チャンスナビで出会った企業や案件の紹介に、積極的にチャレンジしていきたいです。
また、チャンスナビは、北海道に居ながらにして、全国の様々な企業と出会うことができます。サイトを通じて、各地の企業と協力しあえる関係を築いていきたいと思っています。

「味の嘉づき」店内
住宅街にひっそりと佇む「味の嘉づき」。美味しい日本料理をカジュアルスタイルでリーズナブルに楽しめる
企業名 味の嘉づき
業種 飲食店 飲食サービス業
事業内容 和食、日本料理
URL https://kaduki.jp/
企業名 TAKAHASHI DESIGN
業種 紙製品製造業 印刷関連業 広告制作業

一覧へ戻る

このページのトップへ