東京シニアビジネスグランプリは、「シニアが日本の主役になる」をテーマに、令和元年度から公益財団法人東京都中小企業振興公社が主催しスタートした、シニアのためのビジネスプランコンテストです。
今回は、55歳以上でこれから東京都内で起業を考えている方、及び創業5年未満の方を対象に、たくさんのエントリーをいただきました。

最終審査会をオンラインにて開催

ファイナルイベントをオンラインにて開催

5月24日(日)「第一回東京シニアビジネスグランプリ」最終審査会を、オンラインにて開催いたしました。  

本来ならば3月15日(日)東京国際フォーラムにて開催予定でしたが、新型コロナウィルス感染拡大防止のため延期となり、「非公開によるオンライン」での開催となりました。

2019年8月にキックオフイベント、9月から11月にかけて開催した4回のセミナーには、シニア起業への関心の高さから毎回、数多くの方にご参加いただきました。その結果、189名ものエントリーがあり、書類審査、面接審査を経て、10名のファイナリストが選ばれました。

受賞者3名と審査員の皆様
受賞者3名と審査員の皆様

今回オンラインでの開催となったことから、ファイナリスト10名それぞれが自身で撮影したプレゼンテーション動画を審査員に送り、「理念・ビジョンの明確さ」「製品・商品・サービス内容の完成度、問題意識の明確さ」「対象市場に対する理解度・適応性」「事業の実現性」「スケジュール・経営見通しの妥当性」「資金調達の妥当性」そして、「プレゼンテーション力」の審査基準をもとに事前審査を行い、当日、オンラインでの質疑応答による採点を加味し受賞者が決まりました。

ブラッシュアップを重ねたファイナリストのプラン内容は、いずれも紙一重というくらい僅差で審査員も予定時間を超えて議論をかわす大激戦となりました。最後は決戦投票まで行い、最優秀賞1名、優秀賞1名、奨励賞1名の受賞者が選ばれました。

ファイナリスト10名がオンラインにて決戦
ファイナリスト10名がオンラインにて決戦

これまでの豊富な経験とスキルや人脈という財産を持ちながら問題解決に挑む姿勢はシニアならでは、との各務審査員長の言葉にあったように、惜しくも賞を逃したファイナリストの方々からも「良い経験になったので今後に活かしたい!」「たくさんの刺激をもらった」など、前向きかつ意欲的な言葉があり、拍手がわきました。

最後はファイナリスト、審査員など全員でオンライン画面による記念撮影を行い、「第1回東京シニアビジネスグランプリ」は幕を閉じました。

ファイナリストの声

定年を迎えるにあたり、起業を考えており、11月のセミナー参加を機に応募にチャレンジしました。ファイナリストに選ばれてからは、ファイナルに向けてアドバイスを繰り返し受ける中で、自分自身の目指す「起業」がブラッシュアップされ、何をしていかなければならないか課題が見つかったことがグランプリに参加した中で一番の収穫です。「起業」に向けて、背中を押していただくことができました。
ファイナリストの方、事務局の方との出会いも、これからの私の貴重な財産です。
グランプリはゴールでなく、スタートですので、いい報告ができるように準備していきます。

計画段階のビジネスプランが、どのように評価されるか知りたいと思い応募しました。同時に、他の起業家とビジネスコンテストで競い合うことは、私の成長に役立つものと考えました。
ファイナルに向けた研修では、パワーポイントのブラッシュアップだけでなく、私の事業の営業ツール(ホームページ、チラシ、案内状等)および営業施策等のブラッシュアップもでき、一石二鳥となりました。私が東京シニアビジネスグランプリにチャレンジした事は、私および私の事業の成長にとって大いに役に立ちました。

グランプリへの参加を通じて、自分のビジネスを前に進める事ができました。今何をすべきか?が明確化され、成長できたと思います。
20代の頃、仕事に毎日ワクワクが止まらなかったのを思い出しました。ファイナルまでの毎日、ワクワクが止まらなかったですし、終わった今もワクワクが止まりません。このビジネスを成功させます。
今回の経験を他の人たちに伝えていきたいと思います。
ありがとうございました。

結果発表

最優秀賞 賞金50万円

飲食店居抜き店舗サブリース及び売買事業
株式会社アソルティ 代表取締役
伊藤 彰さん

伊藤 彰さん
【喜びの声】

第1回東京シニアビジネスグランプリの最優秀賞に選んでいただき大変光栄に存じます。それと同時に、189件ものエントリーから選ばれたプレッシャーも感じております。今後は、その名に恥じぬよう事業に一層邁進して参る所存でございます。
また、今回新型ウイルス感染症対策で開催の危ぶまれたTSBGをWEB形式で開催まで漕ぎつけて頂きました審査員の皆様そして事務局の皆様の熱意とご努力に本当に感謝申し上げたいと存じます。
願わくは、第2回TSBGの開催が本来の姿で開催されますことを祈念致しております。有難うございました。

【シニアへメッセージ】

机上のビジネスモデルというのは、とかく自分にあまく作りがちです。問題点よりもご自身や商品の強みに焦点が当たります。私自身が出資者を募る活動で、同業、異業種に拘らず多くの経営者に事業計画を見せてまわりました。そこで数多くの指摘やアドバイスを頂き数十回もビジネスプランを修正した経験があります。そこに見えてくる課題をいかに克服するかが成功の鍵となります。現実を直視しましょう。
また、創業時はとかく資金が必要です。売上がない中で3ヶ月、半年と過ごさなければなりません。自己資金だけに頼るのではなく、初めに創業融資など借りられる資金はすべて申し込みましょう。

優秀賞 賞金25万円

3Dプリンタでつくる次世代スピーカー
フォレマー合同会社 代表社員
植木 準さん

植木 準さん
【喜びの声】

このような賞をいただき、大変うれしく思います。
また、コロナ関連で中止の判断も止むを得ない中、最後まで実施していただいた関係者の方々に感謝申し上げます。

弊社「ものづくり」の会社で、世界初の「もの」を提供するベンチャー企業です。
現状は、製品のめどが立ち、これから、というような状況です。
このような現状の中、賞をいただき嬉しく励みになる一方、今後の展開の大切さを痛感いたしました。

【シニアへメッセージ】

起業をするタイミングは「早い」に越したことはないかもしれませんが、決して「遅い」ことがデメリットになることはありません。
また、私の経験から申しますと、起業を決意されたら、立ち上げる前に「東京シニアビジネスグランプリ」等のコンテストに参加されることをお勧めします。
結果の如何を問わず、必ず今後のプラスになります。
敢えてデメリットを挙げるならば、人前でプレゼンするのが少し恥ずかしいくらいでしょうか。
YouTubeのフレーズで「好きなことで、生きていく」というのがありました。
好きなことで、生きていくのは大変かもしれませんが、我々は経験や人脈を生かすことができます。
「これからは、好きなことで、生きていく」 を実現してください。応援しています。

奨励賞 賞金15万円

シニアの取組む
表面処理環境改善と技術継承

合同会社アイル・MTT 代表社員
山村 宏二さん

山村 宏二さん
【喜びの声】

当初、専門用語満載のプレゼン資料をセミナーで発表した時、講師の先生から専門用語は一切使わないようにというアドバイスをいただきましたが、「めっき」のことをあまり知らない方に弊社の取り組みや差別化ポイントを伝える方法がわからず途方に暮れてしまいました。
また、IT全盛の今、「何をいまさらメーカー創業?」という人が多く、入賞できるなど夢にも思いませんでした。
それから2か月後に奨励賞をいただくことができ、共同経営者と共に喜びを分かち合いましたが、「この奨励賞に恥じない会社にする!」という決意を新たにしました。
コロナ禍の中、顧客獲得活動に支障が出ているので大きな励みとなります。

【シニアへメッセージ】

「シニア創業」は大変厳しい挑戦です。若かった全盛時と比べると記憶力や体力が低下しているため、何をするにも思い通りになりません。
しかし、シニアは豊富な経験と知識、人脈があり、そして若い時から比べると寛容になっていますので、焦らずに問題解決に取り組むことができると思います。
「シニア創業」はやりがいのある挑戦です。思い通りにならないことを楽しんでください。

ファイナリスト(発表順)

外資系企業支援業務によるシナジー効果
みずほリロケーション株式会社 代表取締役
石山 勝政さん
池袋ブロードキャスティングシステム
株式会社glee 代表取締役
松井 直子さん
安全&安心の全く新しいヘアカラー事業
吉川 小百合さん
気軽に写真作品制作できるラボの開設
清水 政弘さん
オンデマンド3Dスペーサーによる足補正
田村 悦子さん
日本初のキャッシュバックアプリ
キャッシュビー株式会社 代表取締役
小川 拓也さん
人生100年・高齢者向け訪問型美容室事業
竹内 斗志雄さん

審査員長 総括

各務茂夫氏

審査員長
東京大学 大学院工学系研究科 教授
産学協創推進本部 副本部長
日本ベンチャー学会 会長
各務 茂夫

今回の「第1回 東京シニアビジネスグランプリ」にはエントリーが189件もありました。
その中から10名のファイナリストに選ばれることは大変素晴らしいことで、まず皆様に「おめでとうございます」とお伝えしたいと思います。

今日ここに至るまで、新型コロナウィルスのこともあり大変だったと思います。ご家族、ご友人、メンター、サポートをいただいた方々に敬意を表したいと思います。

皆様のプランはどれも素晴らしいもので、審査は大変激戦でした。紙一重というくらい僅差だったことは間違いないです。豊富な経験とスキル、そして人脈等々に加え、新たに資格を取得するといったように、さらにプラスアルファして事業化に臨む姿勢、そして社会問題の解決にチャレンジしたいという積年の想いがプレゼンテーションに反映され、質疑応答の中でもそれが満ち満ちていたのではないかと感じました。

ファイナリストの皆様には、事業化に向けてさらに進んでいただき、後輩となる方々にとって良いロールモデルになっていただければと思います。

最後になりますが、10名の方々にもう一度おめでとうとお伝えし、私の総括とさせていただきます。
皆さま、おめでとうございました。

パンフレットPDFデータ

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パンフレットPDFデータ(3.84M)