リハビリアプリ実施中のセンサーデータ抽出の技術を活用した
障害児者のリハビリ効果測定用ダッシュボードサービスの創出
株式会社デジリハ
開発したサービスの概要
「デジリハ」実施中のリハビリ効果測定用「ダッシュボード」を開発
「つらいリハビリをもっと楽しくできないか」という切実な想いから生まれた「デジリハ」は、ゲーミフィケーションを活用した障害児者・高齢者のためのデジタルリハビリツールだ。微細な指先の動きからダイナミックな全身運動まで様々な動きを感知する複数のセンサーと、動きたくなる工夫のある多彩なアプリで、使いやすく「楽しい」リハビリを実現できる。センサー感度やアプリのルールなどは使用者ごとに細やかな設定が可能で、個別で最適化ができることが最大の特徴となっている。一方で、分析・評価や施設スタッフの負担軽減といった面ではまだ課題があったため、今回の支援を受けそれらを解決する「ダッシュボード」を開発しリリースした。
サービス開発のきっかけ
支援を受ける前に「デジリハ」は約30本のアプリと5種類のセンサーを実装しており、200施設にご利用いただいていた。しかし、リハビリの結果や利用者の変化は施設のスタッフがメモを取って比較する必要があり、ただでさえ多忙な業務の中で負担をかけるという側面もあった。そのため「5年以上前から、記録・分析・評価を容易にし、変化を可視化するためのダッシュボードが必要だと考えてはいたのですが、開発には大きな費用が必要となり、資金調達の面がネックとなっていました。そこで何か適した助成金・補助金はないか?と探したところ、東京都中小企業振興公社の支援事業が合致し、応募したところ、採択いただいたため開発を始めることができました」(岡代表取締役)。
開発したサービスの紹介
複雑なデータを可視化、進捗や分析指標が一目でわかる
今回開発した「ダッシュボード」には、様々なセンサーのデータやアプリのデータを一つに統合し「それがどのような意味を持つのか」ということを分析し、グラフ化していく機能を持たせている。通常、複雑なデータを細かく読み解き、意味を見出すにはデータサイエンスなどの知識が必要だ。この「ダッシュボード」では専門的な知識は不要で、施設スタッフ・支援者といった方々が、一目でリハビリの進捗や分析指標を確認できるような形にデータをデザインして映し出すことが可能となっている。
当事者・ご家族にとってもリハビリによる変化を実感できる
意外にも当事者の方にとって、リハビリの結果をすぐに実感できる機会は多くはない。この「ダッシュボード」ではデータを蓄積し可視化することで、当事者の方も自分の変化を確認することができる。また、「デジリハ」は一見すると「ただゲームで遊んでいる」だけに見えても、実はその使用によってリハビリとして機能する練習が行われており、結果として変化が起こっていることを保護者・家族の方も実感できることになる。支援職のためだけではなく、当事者・ご家族のためにもなるツールとなっている。
データ収集基盤により、学術利用の可能性拡大
この「ダッシュボード」はセンサーと連動し正確なデータを記録していくことができるため、学術的な意味も高まる。これまでは共同研究に協力してくれる医療機関などでは、全て手書きで記録を取らなければならなかったが、それではどうしても人によってばらつきが出てしまい、学術データとしての正確性は不安定であった。しかし、この「ダッシュボード」を開発したことで「センサーによる客観的データ」を記録していくこと、素早くわかりやすく出力することが可能になった。これを強みとして、今後は共同研究も増やしていく予定だ。
開発期間中の振り返り
想定外の開発作業の発生にも、助成金で柔軟に対応
支援を受け実際に開発を始めると、ダッシュボード化するためにはアプリの改変などといった、当初の想定外の開発作業が必要だということがわかった。「公的助成金・補助金の中には使用範囲が限定されており、人件費や労務費が計上できなかったり、消耗品を購入できなかったり、というケースも少なくないのですが、今回の支援事業の助成金は用途が多岐にわたっていたため、開発に関わるエンジニアや開発会社への外注費・業務委託費や、内部の人件費などに充てることができ、柔軟に対応ができました。また、費用報告は最後に行う形式のため、期間中は開発に集中できたことも良かったと思います」(岡代表取締役)。
開発面以外の部分でも、コーディネーターと二人三脚
「コーディネーターには、毎月オンラインまたは来社で進捗の確認や困りごとの相談、最終的にゴールを目指せそうか?というところを細かく見ていただき、伴走していただきました」(岡代表取締役)。途中で一時的に資金繰りが厳しくなった時期もあったが、「東京都の支援を受けているならば、こういった融資の相談ができる」と提案してもらえ、無事に融資が決まり事業を継続することもできた。「この支援事業で申請した開発に関してだけではなく、会社経営や資金繰りといった面でも伴走してもらえ、まさに二人三脚で進められたと感じています」(岡代表取締役)。
初めての大きな業務委託でも、公社の支援が安心材料に
「今までは、社内に大人数のエンジニアを抱えたり、大きな費用の発生する開発を外注したりすることはありませんでした。今回は初めて、大きな資金を使って大手の開発会社に開発の一部を委託したため様々な心配事もあったのですが、不安や困りごとが発生すればすぐにコーディネーターに相談していました。どこまでを内部で、どこからを外注で進めるかといった役割分担に関する客観的なアドバイスなどもいただけ、心強かったですね。また、初めて取引する開発会社にとっては“東京都中小企業振興公社の助成金が決まっている”ということが支払いに対する信頼につながったようで、スムーズに開発を進めることができました」(岡代表取締役)。
これからのビジョン
「現在、デジリハを導入している施設は国内に約300施設ありますが、このダッシュボードを武器に2030年には1万施設を目指します。今回の開発は“大木のタネ”をまいたようなもので、社会的にも大きなインパクトをもたらすでしょう。すでにデジリハのデータベースを使った国際的な評価スケールとの相関性の研究が評価され、遠隔リハビリの実証で良好な結果を出し、海外での共同研究の話も進んでいます。引き続きアップグレードを図り、自律型システムとして確立できれば、世界中の離島や山間部、医療過疎地域でも質の高いリハビリを受けられるようになるのです。AI の進化速度を勘案すれば、それは遠い未来ではないと確信しています」(岡代表取締役)。
会社情報
| 社名 | 株式会社デジリハ |
|---|---|
| 代表者 | 代表取締役 岡 勇樹 |
| 所在地 | 東京都渋谷区渋谷2-24-12 渋谷スクランブルスクエア39階 |
| URL |
https://www.digireha.com/ |
代表者情報
代表取締役 岡 勇樹
株式会社デジリハ代表取締役 / 介護福祉士