経営人財NEXT20修了企業紹介
経営層の右腕になり、会社を成長発展させたい!
住みたい街ランキングの上位にあがる杉並区で、リハビリ専門デイサービスと訪問看護事業を展開する株式会社Reha Labo Japan(リハラボジャパン)。デイサービスは、杉並区エリア(高円寺、松ノ木、和田、高井戸)に4か所、訪問看護は同エリアと町田に5か所開設している。理学療法士や作業療法士、柔道整復師など専門職が多数在籍し、従業員は100名近く、利用されるお客様の登録者数は約800名と、リハビリの包括的なケア施設としてこの地域に欠かせない存在になっている。
ちなみに、デイサービス(通所介護)とは、介護保険サービスのひとつで、介護を必要とする方(要支援1・2、要介護1~5)が、自宅で生活しながら施設に日帰り(デイ)で通い、食事や入浴等の日常生活上の支援や機能訓練等を受けることができるサービスである。同社は、利用者が人間らしく、自分らしく生きていくためのきっかけとなるように、理学療法士等の専門職が利用者一人ひとりとしっかり向き合い、オーダーメイドのリハビリを提供することで、身体機能の維持、向上を目的としたサービスを展開している。
2011年12月創業の同社は、デイサービスが行う機能訓練の在り方に一石を投じる形でスタートした。立上げに関わった理学療法士の儘田取締役は、当時のリハビリ専門デイサービスでは一人一人の症状が異なるにも関わらず、同じトレーニングマシーンを使っており、その光景に違和感を持ったそうである。専門職として個人の症状やレベルにあったリハビリを行いたいと強く思い、同じく理学療法士である竹下社長と共に、リハビリを研究する施設(ラボラトリー)として開業した。
当時は、専門職(理学療法士)が運営するリハビリに特化したデイサービスは珍しく、問合せが殺到し、キャンセル待ちの行列ができたとか。その後、多店舗展開を進めていったが、利用者数の伸びが落ち着き始めたところで、現状のやり方を見直す時期に来たこと、従業員数も100名と増えたため、従業員を一つに束ね、導けるリーダーの育成が不可欠となり、「経営人財NEXT20」(以下NEXT20)に島津明日香さんを推薦した。
リーダーとして求められる組織を牽引する力
介護福祉士である島津さんは約8年前に週3日のパートスタッフとして同社に入社し、その2年後には正社員に登用となり、さらにその2年後には松ノ木店の施設長になった。島津さんは利用者からもスタッフからも厚い信頼を寄せられており、人間的にも魅力があり、経営人材としての素養があった。そこで、リーダーとして体系的に物事を見る力や、会社として重要なメッセージを言語化し、スタッフに伝える力を備えてほしいと経営層から期待された。
NEXT20では、会社の成長戦略を描くためにSWOT分析を実施。特に、各店の利用者数の伸びが鈍化していることを受けて、介護業界を取り巻く競合先を知ることからスタートした。その結果、マーケティングや広報が弱いという課題に気づき、同社のリハビリを受けて改善している利用者の声やデータを可視化することを取組みテーマに設定した。個別支援では、思考を整理するフレームワーク「マンダラート」を活用し、スタッフも巻き込みながら問題解決に取り組んでいった。思考整理を行うことで、スタッフの考えは一人一人違うこと、個性が見えるようになり、彼らの力をもっと引き出し、経営理念の実現に向けて力を合わせることが必要であることに気づき、次第に取組みテーマは人材育成の領域にも広がっていった。経営課題であるマーケティング、広報、経営理念の実現と人材育成について、スタッフと意見を交わし、PDCAを回していくことで、自然と経営人材としての力が備わり、島津さんが身に着けたい力(訴求力、全社視点、構想力)が発揮できるようになった。
最重要課題に取り組むことで更なる成長を期待
NEXT20修了後、1年が経過し、現在島津さんは、松ノ木店の施設長から高円寺店の施設長に就任。高円寺店は創業から10年が経ち、店舗もリニューアルし、スタッフと心機一転新しい試みを始めるという重要な節目であり、この異動は島津さんへの期待の高さが現れる采配であった。さらに、儘田取締役からは、島津さんの更なる成長を期待し、経営層を支えるサブマネージャー職を新たに設置し、会社の成長発展に力を発揮してほしいと島津さんに就任を依頼。
島津施設長のもと、高円寺店では、NEXT20の取組みテーマにも挙がっていたマーケティング、広報活動の一環として、利用者データ(リハビリ効果)の見える化を進めるほか、デイサービス事業と訪問看護事業との連携をより進め、利用者満足の向上につなげる活動を推進している。
島津さんはNEXT20を受講してみて「これまで感覚で動いてきたけれど、管理者として現場目線で会社視点での立ち位置を意識するようになった。経営理念の理解を深め、これをスタッフに浸透させて、経営層の右腕になれるようにこれからも頑張っていきたい」と更なる意気込みを語ってくれた。