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令和3年度 若手商人育成事業 事業活用事例集 支援事例4

Kitchen cafe ISEYA
堀切中央商店街振興組合(葛飾区)
自分では気づかなかった店の強みを発見、
経営力向上に取り組む
野村嘉子さん

店舗コンセプトがはっきりせず入店しづらい雰囲気だった
 Kitchen cafe ISEYAは、京成本線堀切菖蒲園駅から徒歩5分ほどの住宅街にある創作料理店だ。平成27年の開業当初は、昼の時間帯を店主の野村嘉子さんが、夜の時間帯を別のスタッフが担当するスタイルで営業。ところが令和元年頃、夜のバータイムを廃止することになった。
「当時はよく、『食堂か居酒屋か分からず入りづらい』と言われていました。売り上げ向上のためには店舗のコンセプトをはっきり打ち出すべきだと考えたのですが、どうすればいいのか分からなかったのです。そんな時に知ったのが、公社の商店主スキルアップ事業。専門家の助けを受けながら店の方向性を決めたいと思い、申し込みました」

野村嘉子さん

給食調理経験を全面に打ち出し健康志向の強い層にアピール
 専門家からは、野村さんの経歴をもっと前面に押し出すべきだとアドバイスされたという。
「私は創業前、保育園の給食調理を16年間担当していました。その中で、おいしくて栄養価が高く、安全な食事作りを経験したことが強みだと指摘されたのです。最初は”給食調理の経験”がアピール材料になるとは信じられませんでしたが、宣伝チラシにその話題を盛り込んだところ、来店客数は徐々に増加しました。お客さまに話を聞くと、バランスの取れた食事にひかれた方が数多く来店されていたのです。私自身が気づいていなかった強みを引き出していただいた専門家の方には、本当に感謝しています」
 売り上げが伸び始めて手応えを感じていた矢先、コロナ禍に見舞われた。しかし野村さんは、テイクアウトに力を入れて苦境を乗り切ろうとした。
「バランスの取れた日替わり弁当を毎日提供したところ、栄養バランスを気にしているお客さまにたくさん買っていただきました。店のコンセプトを『健康志向』に切り替えたことで、当店はコロナ禍の影響を最小限に抑えられたのかもしれません」

専門家の指導でビジュアルの豊富なPOPを作成するように
 チラシや店頭POPの作り方も、専門家の指導で大きく変わった。以前は文字ばかりのチラシを作りがちだったが、現在は写真やイラストを入れるよう心がけていると野村さんは語る。
「当店は地元の方々にとって居心地の良い場所を目指していますから、近隣の人々の目に触れるチラシやPOPは重要です。例えば『ひな祭りセット』などの期間限定商品を売り出す場合も、商品写真などのビジュアル要素を盛り込んで人々の目を引くよう工夫しています」
 令和3年には、東京都の業態転換支援(新型コロナウイルス感染症緊急対策)事業を利用し、店舗をテイクアウト対応できるように改装したが、これも専門家からの勧めだった。
「日々の仕事に追われているため、助成金などについて詳しく調べる余裕はなかなか生まれません。その点、専門家の方から必要な情報を得られたのは助かりました。今後も公社の支援を受けながら、地元密着型の店としてできるだけ長く営業を続けたいと思います」と力強く語った。

所在地 : 葛飾区堀切5-20-1
電話番号 : 03-6662-6603
活用した事業 : 商店主スキルアップ事業


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