多彩なコントロールケーブルをはじめ、独自の技術で金属加工に取り組む石原金属化工。

「公社から派遣されたデジタル技術アドバイザーに、他社の成功事例を教えてもらい、現場が抱えているモヤモヤした悩みの解決方法を提案してもらいました。
例えば事業を行っていく上で、「計数ばかり」との往復が不要となり、ピッキング作業での移動時間が半減、ミスも減りました。
今後もAIやIoTなどを活用し、作業効率を高めていくつもりです。

公社異業種交流グループ『グローバルTOKYO』に参加できたのも大きかったです。銀行からの借入利率から助成金に関する情報、事業に関する悩みなどを本音で相談し、共感し合える仲間ができたおかげで、良い影響も受けましたし支えられもしました。」

当社の安くて手間のかからない機器・システムをできるだけ多くの漁業関係者に使っていただき、日本の水産業を支えることが目的、と語るMizLinx。

「当社はものづくりを行う企業なので、広い場所を安く借りられたのがとてもありがたいです。

荒川区南千住にある都の施設『白鬚西R&Dセンター』、
広さは約50平方メートルで、家賃は月額約5万9,000円！
で、事業を営んでいます（2024年4月現在）。

また、『インキュベーション・マネージャー』から定期的にいただける助言も助かりますし、知的財産に関するセミナーや経営相談などの支援も有益だと感じています。」

CYBOは、2024年に細胞の精密な立体画像を撮像する新製品「CYBO Scan」をリリース。単なる細胞計測機器の開発にとどまらず、測った細胞のデータを集めて分類し、データベース化したプラットフォームを作ることで多くの人に役立とうとしている注目の企業。

「当社は創業間もない時期に助成を受けた後、成果報告をレポートにまとめたことがあります。このときにどんな評価試験を行い、どんなデータが得られたのかきちんと記録していたことが、後で大いに役立ちました。
どうしても目の前の業務に追われ、データの記録や仕事の振り返りをおろそかにする傾向があると思うのですが、公社への提出書類がそうした記録作業のベースになりました」

CYBOはこれまで、公社の『新製品・新技術開発助成事業』と『TOKYO戦略的イノベーション促進事業』を利用し、外国意匠・商標や外国特許の出願費用の助成も活用している。

2015年創業のLOAD&ROADは、飲み手の気分や状態、周囲環境から最適な状態のお茶を淹れるIoTティーポットで注目のスタートアップ企業。当時の課題は、国内でのスタートアップに関する情報や人脈がほぼなかったことだ。

「専門家に事業計画の作成を支援してもらえるTOKYO創業ステーションの『プランコンサルティング』を利用したことが起業に役立ちました。また、同施設で開かれるイベントに参加したことで、人脈も広がりました」

現在は、法人向け新型モデル「teploティーポットプロ」などを含めて拡販を目指しているところで、知的財産総合センターで特許出願への助言を得るなど公社サービスを積極的に活用している。

そして縁あってTOKYO創業ステーションTAMAのコンシェルジュとしても起業志望者の相談に応じている。

室内でも簡単に塗れると近年人気を博している木材用DIY塗料「クロマニョンペイント」を製造する谷口化学工業所は、明治創業の名門靴クリームメーカー。

時代背景により革靴の需要が減少したことで市場が頭打ちとなっていた中、社長に就任した谷口氏がまず取り組んだのが、展示会への出展だった。

「エンドユーザーと直接触れ合う場が必要だと考え、公社の力を借りてギフトショーに出展しました。当社の製品を面白がってくれる方がたくさんいることや、ノベルティグッズなど新たな需要先の存在に気付くことができました。」

展示会への出展支援、販路開拓支援など、様々な公社支援を利用してきた谷口氏にとって、もっとも有益だったのが、事業承継・再生支援事業の『企業継続支援（経営改善プロジェクト）』だったという。

「当社は、経営方針や将来像を明確にしたり財務状況について議論したりするため、月1回のペースで幹部会議を行っています。それに公社から派遣された専任の支援マネージャーが参加し、伴走してくれたのがありがたかったですね。助言や提案などを、プロの視点からいただくことで、当社は大きく成長できたと感じています」

UAoは公共建築物や集合住宅、個人宅などを手がける一級建築士事務所。建設予定地の風景や歴史、発注元の自治体や企業の考え方、周辺に住む多彩な人たちの思いなどを丹念にくみ取り、街の未来まで見通しながら話題の公共建物を多数設計した実績を誇る。

公社が個人・企業の新規事業計画を総合的に評価し、事業化に向けて支援する『事業可能性評価事業』に選ばれた。対象となったのは、旧耐震基準で建てられたビルの最上階に免震装置を設置する『増築マスダンパー制振による耐震補強工事方法』。

「東京工業大学などと技術開発した新工法で、ビルの基礎工事が不要な点が強みです。
事業可能性評価事業に選定されたことが評価され、支給を受けた助成金を研究所との実証実験等に充てることができました。
今後は公社の多くの企業とのネットワークを生かし、協力してくれそうな企業や潜在的な取引先を開拓していきたいです」