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2012年11月2日 掲載

 

 

インド編

 

 

 世界経済の冷え込みの中で新興国への期待は大きいが、その中でもGDP6%台の経済成長率や約12億の人口を抱える巨大市場インドへの期待は大きい。

 市場性やGDP増加に連動して、インドの特許出願件数は直近10年間(2011年現在)で約3.5倍、商標出願件数は約4倍と急増している。

 今回はあまり知られていないインドの知財制度についてその特徴と現状をQ&A方式でご紹介する。

 

 

Q 1 インドの知財制度で日本と大きく異なる点はどこですか?
A 1

大きく異なる点として、インドには実用新案制度がありません。

特許、意匠、商標制度はありますが、それぞれ特徴があります。

 

 

Q 2 インド特許制度の特徴は?
A 2

インド特許制度の主な特徴は次のとおりです。

【特許制度の特徴】

(1)強制実施権

 次のような場合、実施を希望する会社からの要請で、インド特許庁は特許権者に、強制的に実施権を与えるよう命令を発動します。

 特許許可日3年以降で、

  1.公衆の適切な需要が満たされていない時

  2.適正な手頃の価格で公衆に利用できない時

  3.インド領域内で実施していない時

(2)特許の権利化の制限(アクセプタンス条項)

 特許出願をして最初の拒絶理由を受けてから1年以内に特許可能な状態にしなければ出願は放棄したものとみなされます。他国のように回答書提出期限の延長がほとんど認められていません。

(3)実施報告書の提出

 年1回、実施状況の報告義務が課せられています(インド国内やインド国外からの輸入の数量と価格)。

 

 

Q 3 インド商標制度の特徴は?
A 3

 インドは、2012年10月現在マドリッドプロトコル(※1)に加盟しておりません。加盟に向けた商標法の改正案が議会を通過しておりますので、今後、インドが加盟すれば、日本からインドへの出願が、簡素な手続き・安価な費用の国際出願ルートの利用が可能になると期待されます。

 (※1)マドリッドプロトコルマドリッド協定議定書)は商標の国際出願制度で、1度の手続きで複数の国にわたり権利取得が可能です。2012年10月現在、日本を含め86カ国が加盟しています。(2012年12月にニュージーランドが加わり、87カ国となる予定)。

 

 

Q 4 インド意匠制度の特徴は?
A 4

 日本でも採用されている部分意匠制度(※2)が、インドでも2011年から採用されました。したがって、日本と同様に広い範囲での意匠権の保護が可能です。

 (※2)部分意匠制度とは、物品全体だけでなく、物品の特徴のある一部分の形態について意匠登録を受けようとするものです。日本では意匠出願全体で約30%(2010年度実績)が部分意匠制度を利用されています(特許行政年次報告書2011年版より)。

 

 

Q 5 中国をはじめ模倣品の被害が出回っていますが、インドではどうですか?
A 5

 インドでも他の国々と同様に知的財産権を侵害する模倣品は多数出回っています。

特許庁が平成18年度に実施した調査によれば、アンケートに回答したインドにビジネス展開している日系企業の76社のうち16社が模倣品被害ありと答えています。

 

 

Q 6 インドにおいてどのような模倣品対策がありますか?
A 6

 基本的にはインドでも知財のガードを固めておくことが肝要です。具体的な模倣品対策は、原則として訴訟手続き(民事・刑事)が前提となりますが、他国と同様に税関における知的財産権侵害貨物の差止め制度を活用することもできます。

 最近、税関では「ICEGATE」と呼ばれる電子通関システムに知的財産権情報を登録することができるようになりました。また貨物差押えごとに必要だった担保金も、年間に予想される担保金をあらかじめ提出することができる「一括担保金制度」が導入され、手続きが簡素化されました。したがって、日本企業も模倣品対策において税関の活用が多くなってきています。

 

 

 インドにおける知的財産に関する出願、契約や模倣品対策などに関しては、東京都知的財産総合センターへご相談ください。

 

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