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TOKYO逸品:「べんり袋」
ポケットティッシュサイズに折り畳め、飲料水の運搬や酸素マスクに使える防水袋

「地味にすごい」を絵に描いたような…

 昨年の「東京くらしのフェスティバル」に出展された商品で私が最もうなったのは、1枚のビニール袋でした。
 ポケットティッシュ型に折り畳まれていて、普段からカバンやポケットに突っ込んでおけばいい。で、中を開いて広げたらビニール袋が現れるのですが、丸い平底になっており、何かを入れても、まず破れません。聞けば、小さな袋ながら90kg以上の重さに耐えうるという、これは世界で初めての仕様だそう。
 ただそれだけの話です。でも、ある場面で重要な強さを発揮 します。それは被災時……。この 「べんり袋」は2ℓの水を注ぎ込んでも容易に持ち運べます。おそらく、これまでの袋だったら、底が裂けてしまうでしょう。また、避難する際には煙を避けながら空気を確保でき、避難先では汚物の処理にも使える。
 角がなくて、水漏れしない底をもつ袋。これを完成させるまでに8年かかった、といいます。嗚門の渦潮がヒントになり、袋の底面をひねる耐圧構造を思い立ち、それを現実に製造できる専用の機械まで、1500万円をかけてゼロから造り……。
 そうして完成した袋はまさに、地味だけれどすごい商品でした。子どもたちに携えてもらいたいという思いから、人気アニメである 「はなかっぱ」とのタイアップも取り付けました。
 この3年間で5万袋を販売。やっぱり地味にすごいなあ、と。

商品情報

商 品 名 べんり袋
企 業 名 株式会社公電テクノ(埼玉県川口市)
WEBサイト https://www.koudentechno.jp/shohin-kaihatsu/#services002

語り手

北村 森(キタムラ モリ)

1966年生まれ。「日経トレンディ」編集長を経て独立。
消費トレンド分析、商品テストを専門領域に活動。
サイバー大学IT総合学部教授(地域マーケティング論)。

SNS:https://www.facebook.com/mori.kitamura/
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