TOKYO逸品:「KOKUSAI DSP.amaoto」
雨音をイメージさせる音のリズムから緩やかに流れる時を感じるインテリア
「必要ないもの」が、なぜヒットした?


3万円超のオブジェです。そんな商品、誰が買うのかと驚いたのですが、部屋の一角に据え置いてみたら納得できました。
水琴窟のように澄んだ優しい音で、アトランダムにリズムを刻み続けます。本体上部にある3本の棒がゆらゆらと揺れるので、この棒がリズムを奏でているのかと思ったら、そうではない。
台座にある太陽光電池パネルが光を受けると、その周囲にあるコイルが磁場を生む。それに3本の棒(下に磁石が付いています)が反応して、ゆらり揺れる。これで磁場が変化。それが台座の中に隠されているハンマーを動かし、これまた台座の中にある6音の棒をアトランダムに優しく打つ。凝っているなあ。
寝室の窓際に置くと……。朝陽が差し始めると、最初はかすかにだけ音を鳴らす。光が強くなるにつれて、音は存在感を増し、リズムの間隔は狭まってゆく。いい目覚めになります。
初回生産ロットはすでに完売。スイスのギャラリーなどが繰り返し購入しているそう。なぜそこまで? 担当者は言います。
「『必要ないもの』こそが、今の時代、求められている」
まさにまさに。物欲を刺激するとはそういうことでしょう。なくても一向に構わないものが、なぜか欲しくなる……。
この会社、小売店などで見かける「動くPOP」の製造を得意分野にしています。その宝物を活かした、これは快作ですね。

商品情報
商 品 名 | KOKUSAI DSP.amaoto |
---|---|
企 業 名 | 国際ディスプレイ工業株式会社(東京都文京区) |
WEBサイト | https://www.kokusaidsp.jp/ |
語り手
![]() |
北村 森(キタムラ モリ) 氏 1966年生まれ。「日経トレンディ」編集長を経て独立。 消費トレンド分析、商品テストを専門領域に活動。 サイバー大学IT総合学部教授(地域マーケティング論)。 SNS:https://www.facebook.com/mori.kitamura/ |
---|