TOKYO逸品:「QQTOILET」
ポケットテッシュほどのサイズで携行できる携帯トイレ
そのわずかな差が、大きな違いに現れる


9月は防災月間です。今回は非常時に役立つ携帯トイレの話。
実は一般にはさほど知られていない企業の携帯トイレが、昨年だけで3万2000個も売れている。いったいどうしてなのか。
まず、普段はポケットテッシュほどのサイズで携行できます。で、いざという場面でひらくと、本体が30cmくらいに広がり、ちゃんと自立します。これって、使用時に助かるだけでなくて、その後、保管するときにも役立つ。たとえばクルマの床に置いておいても、横倒しになって中が漏れ出す心配が少ないから。
さらには、本体上部の封をする箇所には、二重ジッパーが備わっています。二重になっている商品、あまり存在しません。これによって195kgの荷重にも耐えられる仕様になっている。
どうしてそこまで? 社長はいいます。「携帯トイレに必要なのは『中身が漏れないこと』、これに尽きます」
開発途上で社長は、ある登山ガイドの話を聞いたそうです。
「下山時にリュックが背中で押されて、携帯トイレの中身が漏れたことがあった」。これでは登山の思い出が台無しですよね。
同社はもともとクラフト造形の専門会社。なのに異分野の携帯トイレを並行して手がけ、成功した。ものづくりに精力を注ぐ社長の熱意が「わずかな差」をないがしろにしない商品設計につながり、この携帯トイレが売れたのだと感じましたね。

商品情報
商 品 名 | QQTOILET |
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企 業 名 | 多摩川クラフト有限会社(東京都稲城市) |
WEBサイト | https://www.tamagawacraft.com/item/QQ-M3/ |
語り手
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北村 森(キタムラ モリ) 氏 1966年生まれ。「日経トレンディ」編集長を経て独立。 消費トレンド分析、商品テストを専門領域に活動。 サイバー大学IT総合学部教授(地域マーケティング論)。 SNS:https://www.facebook.com/mori.kitamura/ |
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