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TOKYO逸品:「ポッケsel1(セルワン)」
ユーザーが自分の生活環境にあわせて音質調整できる補聴器

泣きどころを解消した商品はやはり強い

 補聴器の多くはオーダーメイド型であり、ユーザーが何度も店舗に通いながら、音質の調整を図る必要があります。
 この商品は、ユーザー自身の手で音質をいじることのできる一台。それによる強みは2つありますね。まず、店舗に通いつめなくていいこと。高齢者にはありがたいはず。もう1つは、ユーザーの生活環境に身を置いて音質調整できること。店舗と自宅では、状況が違うことがしばしばでしょうから、これも有利。
 ここで思うわけです。補聴器のプロが音質調整したほうが、やはりいいのでは? 開発担当者はこう答えてくれました。
「でも、プロがユーザーの自宅にまで行くのは実際問題として難しいでしょう。だったら、ユーザー自身で“しっくりくる音”を探し当てるほうが、結果として聴きやすくなリます」
 なるほど。一理ありますね。そしてこの商品は、音質を無段階で設定できるつくりなので、素人の高齢者でも扱いやすそう。
 私、この補聴器が2万円弱と安いだけに、単なる入門機かと早合点していましたが、そうとも言えないのですね。10万円以上するような機種より、むしろメリットのある面も存在するから。
 安いということは、補助金を得られないような軽度・中度の難聴のユーザーに使ってもらいやすいという話でもある。
 補聴器を手にするハードルを下げた、快作だと思います。

商品情報

商 品 名 ポッケsel1(セルワン)
企 業 名 ミミー電子株式会社(東京都立川市)
WEBサイト http://www.mimy.co.jp/product/hochoki/me-145/

語り手

北村 森(キタムラ モリ)

1966年生まれ。「日経トレンディ」編集長を経て独立。
消費トレンド分析、商品テストを専門領域に活動。
サイバー大学IT総合学部教授(地域マーケティング論)。

SNS:https://www.facebook.com/mori.kitamura/
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