TOKYO逸品:「アーユル・チェアー」
「坐骨で座る」ことをコンセプトとした姿勢がよくなる健康イス
そして、「高い」とは言われなくなった


初代モデルを2005年に発表して以来、ロングセラーとなっている椅子です。座面が2つに割れている独特の形状。これにより、「骨盤が立ち、坐骨で座れる」そう。日本人に合った姿勢をおのずと保てると言います。腰に悩みをもつ人に向けただけではない。子どもが集中力をもって座れるようにとの思いもあった。
売り上げはほぼ右肩上がりで、特に2014年度あたりから、ぐんと伸びたと聞きました。初年度からみると、今は20倍規模。
「私たちがやっていることは変わらない。座面のデザインも、量産化した時点から同じです。おそらく消費者の皆さんの意識が変わったのだと思います」。それ、どういうことか。
ここ10年で、多くの人が「眠り」にお金をかけるようになりました。高機能マットレスの市場伸長がそれを示していますね。でも考えてみれば、人生の3分の1が睡眠であるのと同時に、また別の3分の1は「座っているわけなんですよ」。確かにそうだ。
人は「きちんと眠ること」にコストをかけ、次には「きちんと座ること」に心を砕き始めたという話なのでしょうね。
発売当初は、お客から「値段が高いな」とよく言われたらしい。「でも現在では、そうした声はあがらなくなりました」。
人は、それが「自分のための商品だ」と確信すれば、高価格商品にもためらわず財布をひらく。その好事例だと思います。

商品情報
商 品 名 | アーユル・チェアー |
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企 業 名 | 株式会社トレイン(東京都渋谷区) |
WEBサイト | https://www.ayur-chair.com/ |
語り手
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北村 森(キタムラ モリ) 氏 1966年生まれ。「日経トレンディ」編集長を経て独立。 消費トレンド分析、商品テストを専門領域に活動。 サイバー大学IT総合学部教授(地域マーケティング論)。 SNS:https://www.facebook.com/mori.kitamura/ |
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