TOKYO逸品:「ウエストゴムなし包帯パンツ」
医療用包帯の構造をもとに開発されたアンダーウェア
切実な求めに応えたなら、人は振り向く


「モノの値段には理由がある」とは、私がいつもお伝えしていることです。たとえ値が張っても、そこに相応の職人技、相応の美点があれば、人は躊躇なく手に取るという話ですね。
このパンツ、包帯の生地を全面に用いています。それもわざわざ特注した、綿をふんだんに使ったものと聞きます。
下着メーカーの下請け工場が家業だった社長は、商社に勤務後、実家での仕事に携わります。2002年のサッカーW杯を観た社長が思い立ったのは「選手が上手くプレーするのを、下着から支えたい」。アスリートが自在に動ける“ギアとなる下着”をつくろうということ。ここでいうギアとは高機能な道具を指します。
そういえば包帯って蒸れないな、と気づくまで2年間。さらに下着にできる幅のある包帯生地をつくれる拠点を探すのに3年間。2007年にようやくモノにできたといいます。編みを担うのは北陸の工場、染めは関西、縫製は徳島だそう。このパンツって、包帯生地が実力派工場のある地方を渡りめぐって完成するのですね。
こうして、蒸れない締め付けない下着ができたわけですが、値段は高い。3,000円以上します。それでも、サッカー選手はもちろん、レーシングドライバー、歌手、舞台俳優、料理人と、数々のプロフェッショナルが肌に着けている。
この特別な生地、同社はマスク製作にも活用しているそうです。

商品情報
商 品 名 | ウエストゴムなし包帯パンツ |
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企 業 名 | ログイン株式会社(東京都渋谷区) |
WEBサイト | https://store.sido-japan.com/ |
語り手
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北村 森(キタムラ モリ) 氏 1966年生まれ。「日経トレンディ」編集長を経て独立。 消費トレンド分析、商品テストを専門領域に活動。 サイバー大学IT総合学部教授(地域マーケティング論)。 SNS:https://www.facebook.com/mori.kitamura/ |
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