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TOKYO逸品:「MANAITA」
まな板に求められる条件を満たすイチョウ製まな板

「どうあるべきか」を突き詰めたからこそ

 国内に根づく樹齢100年以上のイチョウを切り出したまな板です。1万円以上するのに、2018年の発売以来、毎月コンスタントに300枚は売れていて、いまは品薄なほどです。木を扱うプロ集団である同社にとっても、これは予想を超える数字らしい。
 開発の出発点は「まな板に求められることをもう一度見直した」だったといいます。それはなに? 「料理を楽しくできる、それだけです」。しかも、趣味の料理ではなくて毎日の料理を楽しく、を狙いに据えた。「やらないといけないことが、やりたいことに変わる。それこそが『楽しく』という意味です」。
 大事にしたのは、ひとつは軽さや触感であり、またひとつは音だったそう。「包丁の当たる音が良ければ、そこにいる家族との関係もまた良くなるから」。これは納得いく指摘ですね。
 素材はどうしてイチョウなのですか。「抗菌性、耐水性、刃当たりの優しさ。ここまでは木曽ヒノキと共通です。イチョウにはそれに加えて復元性があります。傷が入っても戻りやすい」。
 同社の代表にいわせると、適材適所という言葉はもともと「それぞれの木材をしかるべきところに用いる」が語義だそう。イチョウをまな板にするのは、まさに適材適所だったのですね。
 その商品はそもそもどうあるべきか。果敢に斬り込んだ商品はたとえ高値でも消費者は振り向く、という好事例でしょう。

商品情報

商 品 名 MANAITA
企 業 名 株式会社WONDERWOOD(東京都渋谷区)
WEBサイト https://store.wonderwood.jp/pages/cutting-board-manaita

語り手

北村 森(キタムラ モリ)

1966年生まれ。「日経トレンディ」編集長を経て独立。
消費トレンド分析、商品テストを専門領域に活動。
サイバー大学IT総合学部教授(地域マーケティング論)。

SNS:https://www.facebook.com/mori.kitamura/
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