TOKYO逸品:「SlideNote」
スライド式リングレスノート
出発は「違和感を見逃さない」姿勢だった


「文具業界初の金属クリップ使用のスライド式リングレスノート」と謳う商品です。それがどうした? いや、意味がある。
この「SlideNote」は、紙をファイリングするバインダーでもあり、ノートでもあります。しかも、ルーズリーフと違い、リングを通す穴の開いた専用紙は要りません。コピー用紙だろうが、ちょっとした資料だろうが、大概のものを挟めます。背表紙のところを引っ張ればクリップが緩み、紙を収めた後に再びカチッと戻せばいい。クリック感がまた心地よいのも美点。
挟むだけでなくてノートとしても機能するのは、金属でしっかりと複数の紙を押さえ込めるからだそう。金属加工そして樹脂成形の町工場との協業によって成しえた機構だと聞きました。
もともと印刷が主軸の同社ですが、社業を継い2代目は自社ブランド商品の開発に乗り出しました。「SlideNote」の着想はご子息のノートをふと覗いた場面で得たといいます。学年が上がるたびにページを余したままのノートが無駄になる。紙をテーマに据えた同社の経営者だけに、これが我慢ならなかった。ならば、ノートを『冊』単位から『ページ』単位に変えよう…。ああ、そういうことだったのですね。この商品であれば、紙が無駄にならない。それに書き留めた後の整理もきわめて容易です。
言うなれば「大人のルーズリーフ」の完成、という話ですね。

商品情報
商 品 名 | SlideNote |
---|---|
企 業 名 | 株式会社研恒社(東京都千代田区) |
WEBサイト | https://www.pagebase.tokyo/ |
語り手
![]() |
北村 森(キタムラ モリ) 氏 1966年生まれ。「日経トレンディ」編集長を経て独立。 消費トレンド分析、商品テストを専門領域に活動。 サイバー大学IT総合学部教授(地域マーケティング論)。 SNS:https://www.facebook.com/mori.kitamura/ |
---|